第17話 お好み焼きを食べながら

僕らは、試運転がてら少し移動をすることにした。

久し振りの車の運転だ。

母さんの車は、HONDAのN-BOXだった。

亡くなる数年前に購入して、ローンは払い終えている。

僕らが来たのは、大井神社の傍にあるさくらいと言うお好み焼き屋さんだ。

店内の席数は、さほど多くはない。

カウンター席と座敷テーブルで10席程度だろうか。

僕らは、座敷テーブルに通される。


「宗一朗、なににする?」


メニュー表を眺めながら彩夏が聞いてくる。

彼女が見やすいようにしていて、僕は逆さに見ている。


「5種かさくらい焼きかなぁ」

「じゃあ、それ両方頼んでシェアしよ」

「うん、いいよ」


僕らは、注文をしてからカウンターを眺める。

カウンターの奥では、鉄板の上で生地が焼かれ始めていた。

つい、魅入ってしまう。

彩夏も同じように見ている。


「私、お好み焼き焼いてるの始めてみるかも」

「そうなんだ、僕は何度かあるかな」

「よく来るの?」

「島田に来る時はだいたい来てるかな。

ここ、ばっちゃんに薦められて来るようになったんだよ」


たぶん、僕が島田で知ってるお店は大抵がじっちゃんやばっちゃんに薦められたお店だ。


「彩夏」

「なに?宗一朗」

「これからは、車もあるからドライブしながらキャンプも行こうよ。

もちろん、ツーリングもしよ」

「うん。いっぱいギア持って行けるね」


僕が車を取りに来たのはそういう理由もあった。

通勤自体は、いままで通りバイクの予定だ。

買い物や長距離移動は車を利用しようと思う。


やがて、僕らの前にお皿に載せられたお好み焼きが運ばれてくる。

僕らが頼んだのは、ホタテ、牛、豚、エビ、イカの5種類が入った5種ミックス焼きと豚ロース2枚と卵が入ったさくらい焼きの2つである。

それから、ハケで切り分けてシェアをして食べた。


「次の休みどこか行ってみようか?」

「うん」


最近は、休みの予定を合わせているから一緒にいることが増えている。


「じゃあ、次の休みはキャンプに行こう」

「場所の予約は、私がするね…車でいいんだよね?」

「うん、いいよ」


こうして、次の予定が決まった。

食後は、真っ直ぐ家路に着くのだった。

家に帰り着いたら、彩夏がダダ甘になっていた。

行きがタンデムで、帰りが別行動だったからの様だ。


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短めです。

次回は、キャンプに行きます。

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