概要
山で育った少女は、百人の兵士を相手に圧勝できる剣の達人だった
春秋時代。
天下の中心であった周王朝から遠く離れた東南の地で、長きに渡って争っていた二国。呉と越。
世代を跨いで競った両国は、遂に決着の時を迎えようとしていた――。
しかし越王・勾践は、呉との最終決戦を前に決断を躊躇していた。
いくら斜陽の呉であるとはいえ、後世にその名を轟かせる事になる軍略家・孫武(孫子)が鍛え上げた呉の精兵を相手にするには、越の兵士は練度が足りていなかったのだ。
そこで越の軍師・范蠡が連れて来たのは、ひとりのみすぼらしい少女。名は奇奇。
山深い辺境の村に生まれた彼女は、その剣一本で故郷の村を救った英雄であった。
憮然とした態度の少女を引き連れた范蠡は王に告げた。
「この娘ひとりで百人の兵に勝ります。この者と同じ剣技を会得できた兵士が百人でもいたならば
天下の中心であった周王朝から遠く離れた東南の地で、長きに渡って争っていた二国。呉と越。
世代を跨いで競った両国は、遂に決着の時を迎えようとしていた――。
しかし越王・勾践は、呉との最終決戦を前に決断を躊躇していた。
いくら斜陽の呉であるとはいえ、後世にその名を轟かせる事になる軍略家・孫武(孫子)が鍛え上げた呉の精兵を相手にするには、越の兵士は練度が足りていなかったのだ。
そこで越の軍師・范蠡が連れて来たのは、ひとりのみすぼらしい少女。名は奇奇。
山深い辺境の村に生まれた彼女は、その剣一本で故郷の村を救った英雄であった。
憮然とした態度の少女を引き連れた范蠡は王に告げた。
「この娘ひとりで百人の兵に勝ります。この者と同じ剣技を会得できた兵士が百人でもいたならば
趣味ですから、血眼でクレクレとは言わない。しかし私とて、石油王からの投げ銭は欲しい。貧民だもの!