第16話 入社8か月目 2日目 …やっぱり食べたかった。

2日目の朝。この一日が過ぎれば、家に帰れる!!


明日は、普通に仕事だけどね。早く家に帰りたい。

まだ夜明けだけどね!

お宿の部屋は、大部屋じゃなくて、個室が良かったよ。

大部屋だったから気が抜けなくて、眠りも浅かった…ってか寝れなかった。


でも温泉は最高でした。朝から温泉って贅沢だねぇ。

嫌な事は、お湯とともに、流れてしまえ。

料理は美味しかったと思う。…ごめんなさい。覚えていないです。


ふと、デジカメの写真 (写真係も兼務) を確認したら、滅茶苦茶、

美味しそうな、夕食が写っていた。


これ、食べたはずなのに…。覚えてない。なんか悔しい。

すっごい損した気分だよ。

すっごい美味しそうな海鮮達…。この子達、お腹に入ったはずなんだが。

味、思い出せない…。うおぉぉぉ。

く・や・し・い。



気を取り直して、本日2日目。

丸柚餅子、どこかにないかなぁ。駄目元で探してみよう。

探せるかも分からないけど。


そして、昨日あれだけ飲んだはずなのに、本日も早々に酒宴である。

二日酔いとは?5人ぐらいしかなっていないみたいなんですが?

薬、持ってきてよかった。でも自己管理はして欲しい。酔っ払い、怖い。

皆さま、私より年上の猛者のはずだよね??

後日、使えそうな弱点など転がってないかしら。デジカメは準備万端です。


残念ながら、先制パンチ上司と営業課長は、二日酔いにはなっていなかった。

切実に、弱点が知りたい、ええ切実に。



千里浜なぎさドライブウェイ、大型観光バスでもいけるのねぇ。

砂浜を走れるとは。貴重な体験だった。

風も強くなく、晴れてよかったなぁ。



結局、買えたのは、甘エビの塩辛とイカの塩辛と柚子入りのイカの塩辛。

三本セットで、ちょっとお安くしてくれた。

おつまみ探しの時に我が家のお土産が買えて、本当によかった。


丸柚餅子は、またのお楽しみにしてもらおう。母上、ごめんなさい。

自宅に帰ったのは、22時をすぎていた。

ただいま、安心できる我が家。



旅行明けの今日は、休みではなく、会社。昨日の荷物の片づけもしないといけない。

しかし! 仕事から帰ったら~、甘エビの塩辛♪甘エビの塩辛♪が待っている。

甘エビの為に今日を乗り越えるのである。


家にルンルンで帰った私を待っていたのは、気まずそうな顔をした両親だった。

が、少しも気にもせず、甘エビの塩辛、皆で食べよ~。

今日、すっごく、楽しみにしていたの。


それを聞いた両親が、ポツリと

甘エビの塩辛、美味しすぎて食べちゃった。ごめんなさい。

美味しすぎてな、全部食べてしまった。ごめんなさい。

と言ってきた。


滅茶苦茶美味しかったらしい…。そして、食べてしまったらしい。

なんて、羨ましい。


せめて、せめて、一口くらい残しておいておくれよ…。

これをご褒美に頑張ったのに…。言っておけばよかった。

他に2本も塩辛ちゃんはいるのに…。ピンポイントで甘エビちゃんかぁ。

無念。


サヨナラ、ご褒美のはずだった、甘エビの塩辛ちゃん…。



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