第12話 入社5か月目 お盆休みは…?
姉上から8月のお盆に帰るから、アウトレット一緒に行こう!と
ウキウキなメールを見て、了解。洋服のプロデュースお願いします。
と返事をしてから、はて?うちの会社、お盆休みってあったかな?
と疑問に思う私はだいぶ抜けていると思う。
結論…お盆休みはなかった。
会社の8月のカレンダーを見てあれまぁ。
うちの会社にはお盆休みはなかった。バリバリ仕事である。残念。
慌てて姉上にうちの会社お盆休みなかった。出勤でございました。
ごめんなさい。と送ると、
了解。じゃあ、お母さんと行ってくるね。洋服似合いそうなのあったら
お母さんと相談して買っておこうか ? と返事がきたので、
よろしくお願いいたします。と返しておいた。
世間がお盆休みの間は、支社の人達は有給休暇でお休みの人が多い。
まるで、平日の図書館にいる時のように静かで、ガランとしていた。
取引先もお盆休みのところが多いらしく、電話も全然、鳴らない。
先制パンチ上司も有給休暇にて休みだった。ヒャッホー。
自分の机からタワーになっていた書類が、入社して初めて小山程度になった。
皆が休みとっている間に、ジャカジャカ進めて余裕がある状態になりたい。
お盆は出勤している人も少ないので、なんとなく気楽だ。
社内のいつもの緊張した空気はない。
皆、仕事がはかどるのか、お盆の用事もあるのか、ほぼ定時で上がるとの事。
お昼の時、パートさんに今日は残業出来ないわよ~。鍵しめちゃうからね。
定時に帰らないと会社に一人だけお泊りよ~。と言われた。
入社して初めて定時に帰れたのである。お盆様様である。
明るいうちに帰れるのは初めてで、変にテンションが高くなる。
ウキウキして家に帰ると、姉はもう帰ってきているようだった。
ただいまー。お姉ちゃん早かったねー。と言いながらリビングに向かう。
おかえり~、お土産ある…と言って私の顔を見て指をさし、台所にいる母に、
えっ??何コレ?何コレ?ちょっと、お母さん!ちゃんとご飯あげてるの?!
と聞きに行った。
両手を挙げながら母は、ちょーっと待って。ちゃんとご飯あげてるわよ。
冤罪、冤罪よ~。ちゃんとキチンとお世話してる。
ただあんまり、食べてくれないのよ。こっちも大変なのよ。
食べさせるのに。ほっとくと、すぐ寝ちゃってるのよ?この子。
どうしたらいいの?長芋も手が痒くなるけどすりおろしてるのに~。
と答えていた。
まるで会話だけ聞いてると、なんだか好き嫌いが多い小さな子供に
なった気分である。
我、自己管理が出来てない、社会人1年生。
食欲を疎かにして、こってり姉上に懇々と諭された。
自業自得なので、もちろん正座して、慎んで聞かせていただきました。
次の朝、会社行く荷物にバナナが突っ込まれていた。
反省してます…。だけど食欲わかない…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます