第13話 入社6か月目 勉強にはなりますが…。

9月である。

本社の人から、次年度の予算と今年度の見込み決算をやるから、そろそろ

忙しくなるね~。まだ、1年目だから処理することはないと思うけど、

知っていて損はないよ。と言われた。

そっとフラグを立てないで欲しい。


2日後に、先制パンチ上司より前任者がやっていたから、はい。と書類を

ペラリ1枚渡された…。えっ?それ1枚だけ?他に何かないの?


フラグ回収ですよ、本社様。1年目で処理するらしいですよ、本社様。

今後、私の仕事に多少間違えがあっても寛大な心で受け止めてくれなくても

結構ですので、本社様、これ処理してくれないでしょうか。



嫌だー。何コレ??破るなり、シュレッダーするなりして無かった事に出来

ないかな?渡してきた人が渡してきた人だし出来ないよねぇ。残念。

さぁどうしよう。



その1:とりあえず、先輩に処理していたかどうか聞いて、処理していたら

    どのように処理すれば聞く。


その2:処理してない場合は、駄目元で、過去に処理して綴ってあるファイルの

    場所の確認と相談。


その3:1と2が駄目なら本社に相談。


段取りを決めて、深呼吸して、1であれ。1であれよ。頼むから、2・3 では

ありませんように。と祈りながら、先輩、いてくれよ~。と祈りながら本社へ

電話する。いざ!確認!


先輩の回答:私、全部は処理してなかったから、全部はわからない。

      わかる範囲は教えるよ。


うわぁぁぁ。予想してなかった、1~3のごちゃまぜコースじゃないですかぁ。

まぁ、半分くらいは先輩から聞けそうだからまだいい方かな。


処理していた部分は全部教えてもらい、ファイルの場所も処理していた部分は

確認した。処理してない部分のファイルは、ありそうな場所を聞いておく。

先輩から聞けるだけの情報は全部聞き、本社の方に相談しようと思い先輩に

取次を頼んだ。


ここで相談していた本社の方…係長と部長だった事が先輩から教えられた。


ひえぇぇ。何で今頃になって教えてくるのさ。緊張するじゃないですか。

冗談言い合ったりしてたよ…。むしろ支社の上の方達より、本社の人達の方が

私、お話出来るよ。まぁ、顔見てお話していないから気楽なのもあるけれど。


少し、先輩に愚痴ると知っているものだと…と言われた。


そうですね、知らない方が悪いんですけどね。そりゃぁ、本社だもんね。

偉い人ゴロゴロいるよね。皆さん、優しく対応してくれていたから気が

緩んでたよ。気をつけねば。


今日は、係長は有給休暇との事で、お相手してくれたのは部長だった。

相談すると、流石に一年目で全部処理するのは…。と言葉を濁された。

んー、別件で先制パンチ上司に用があるので、明日、上手く話して

最悪半分でも処理するようにさせるよ。そっちの終業時刻過ぎてるでしょ?

無理せずに帰りなさいね。と言ってくれた。


最初は喜んでお願いします。と言ったが電話を切ってから、上手く連携して

出来るのか…?変に拗れないか?本社の人に言われたら機嫌悪くなりそう。

と心配になった。

まぁ、明日の事は明日の自分が頑張るさ。と思い直し、鞄に常備するように

なった甘いものを口に入れ、帰り支度を始めた。



後日、先制パンチ上司が機嫌よく、先日渡した書類の件、一緒に

頑張って処理しましょうね。と言われた。

その日の午後は、ずっと先制パンチ上司が処理していた部分の説明を

聞きながら処理をしていった。



…どんな話しをすればこんな機嫌よく出来るのか今度教えてもらおう。

ただ、機嫌が良すぎて逆に怖い。


そういえば、ここ最近口内炎ができやすくなったなぁ。



















  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る