第14話 入社7か月目 良い案が…出ません。

定年後に再雇用されていた方の2人うち1人が3月に退職するらしい。


長年いるパートさんが、あの人は、前任者大好き!!人間よねぇ。

自分の孫のように思っているんだ。って毎回毎回、私に言ってきたのよねぇ。

前任者の結婚が決まった時はねぇ、支社にも挨拶に来た相手の方を

睨んでいて怖かったのよねぇ。睨んだって変わらないのにねぇ。

睨むより、笑顔で幸せ祈るべきよ!と段々とお怒りモードに変わりつつ

あったが穏やかにお昼ご飯を食べていた。


お相手の方は別の支社勤務の方で、わざわざウチの支社まで挨拶に来たんだって。

先輩はお相手の支社への挨拶は行かなかったらしい。

う~ん、挨拶に行く基準がよくわからない。


前任者が異動すると知った時は、大層落ち込んで面倒くさいし、こっちに、

ウジウジ言っていて、本人に言えってオブラートに包みまくって言ったけど、

大変だし、しつこいし、最悪だった!本当、知ったっこっちゃないのよ!

やっと解放されてスッキリだけど、イライラしてきたわ!と言って

他にも色々と思い出したのか、お怒りモードが超特急で加速し始めた。

その後も、ビシバシと切って捨てていた。


毒舌なパートさん、誕生である。


因みにお茶淹れてくれるパートさんではない。お茶のパートさんは、

「あら、語尾のねぇがとれたわ。ブラック降臨。癒しが必要ね。」

と言って、毒舌なパートさんにいそいそとお饅頭とお茶を献上していた。



退職する方は、私に前任者ムーブアタックをしてくる、ナンバー2・3・4を

争っている人だった。


最近はあまりアタックを決めてこないから、ナンバー4くらいである。

因みに不動のナンバー1は先制パンチ上司である。


そのナンバー4が、3月で退職するらしい。


…やったね!残り、6カ月の我慢ですよ。

ちょっとウキウキである。

お茶パートさんが淹れてくれたお茶飲みながら、緩やかにお昼時間は

過ぎていった。


6カ月♪6カ月♪と思いながら仕事をしていたのがまずかったのか。



先制パンチ上司から、社員旅行、今年まだ計画してなかった。忘年会も。

とこちらに聞こえる声で言ってきた。ちょうど運よく近くに営業課長が

いたので、きっと課長に話しかけているんだよね!と知らないふりを決め、

絶対、顔を合わせまいと書類の山に集中した。


営業課長が無事に返事をしてくれ、話をし始めた時、幹事よろしくね~。

と顔を覗き込まれ言われた。


…覗き込まないで欲しい。とても嫌だ。やりたくない。これ1人でやるの?

旅行と忘年会?1人で?とりあえず、なんとかならないか周りを見渡す。


ちょうど目が合ってしまった営業課長とその近くにいた2人の営業の人が、

ナンバー4が退職で最後の社員旅行になるし、僕ら幹事やりますよ。

と言ってくれた。


おぉ。救いの手が。


しかし、そこで すんなりと譲る先制パンチ上司ではない。

2人とも今まで幹事やったことないでしょ?上手くできるの?

失敗したらどうするの?と詰め寄っていた。


私だって、社員旅行の幹事やったことないですよ。

これって営業所とかも入るんだよね、多分。大人数じゃないですか。

見当つかないんですが…。どっから手を付ければいいの?


どうしたら良いかわからず、私は、とりあえず、無言を貫いていた。

今までの経験上、下手に口挟むと確実に自分にとって悪い方向にしか

進まない。

いい案出てこい。何かないのか、出来れば回避方法。ぬおおぉぉぉ。


中々、自分では良い案がでない。なので1人で幹事をやる事になったらどう

進めればいいのかと考えた。が、憂鬱な気分にしかならなかったので諦めて、

嫌だ~。嫌だ~。とても嫌~。とてもやりたくな~い。

と頭の中で大合唱していた。


あーだこーだと先制パンチ上司と営業の二人が遣り合っていたが、営業課長が

まぁまぁと入り、最終的には、営業の3人、総務からは、先制パンチ上司と私

の合計5人で幹事になった。


社員旅行かぁ。出来れば、のんびり家で過ごしたい。

甘いもの食べたい。だけど、口内炎が、地味に増えてきてるんだよねぇ。



まぁ、1人幹事じゃなくて良かった…。









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