第3話 入社2か月前 人生捨てたもんじゃないね!!浮かれていました

 バイト先にルンルン気分で向かう。今なら苦手なスキップもしちゃう。


 完全に浮かれながら、大学1年生の夏から働いているパン屋へ向かう。

 就職先が中々決まらず落ち込む私に店長は自分の時の経験や面接時の

 返答や色々アドバイスをくれた。


 しかし、ここ数週間はその話題は腫物を触るかのような扱いだった。

 3日前のバイトの時に4年弱の付き合いになる店長は、決まらなかったら

 4月からも勤めてくれるとありがたいな。駄目元で悪いのだけど、正社員

 になれるように本社に推薦は出してみるからと菩薩の様なことを言ってくれた。

 無職の道は閉ざしてくれたので、有難く手を合わせて拝んでおいた。

 …かなり嫌がられたけど。

 

 バイト先について挨拶すると店長から今日はなんか良い事でもあった?

 とすぐ聞かれた。声に嬉しさがのっていたのかと思ったが、変なステップを

 踏んでるけど、顔がニコニコだからなぁと言われた。

 変なステップ?スキップですよ、スキップ…。


 すぐに店長に内定決まりました、相談にのってくれてありがとうございました

 と伝えた。


 店長は、おー、おめっとさん。じゃあウチはバイトの募集をしないといかんなぁ。 

 まぁ事前研修とかありゃ、もっと早くにウチを辞めんといかんから

 日程分かったら、速攻で連絡すること!!と笑いながら返事をくれた。

 周りにいたパートさんも寂しくなるけどよかったわね。

 おめでとうと言ってくれた。


 その次の日まだまだルンルン気分を保ったまま、差し入れとしてバイト先のパンを  

 持って就職課に内定報告をした。

 おめでとう~!! よかったわね。おめでとさ~ん。パンの差し入れがなくなる

 のは残念だ。と色々な先生から声をかけてもらった。


 3年の秋から相談や面接の練習をしてくれた先生とはハイタッチをして

 おめでとう!ありがとうございます!を何度かやって笑いあった。


 ようやく4月からの進路が決まってホッとした日でもあり、

 やっと内定をもらえたと実感した日でもあった。

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