第10話 入社4か月目 まさかの…出来事

社会人って厳しいのね。

内定をゴールにしてしまっていた私には、就活の辛さが、まだ序の口のように感じられた。ただ単に社会人の厳しさをちーーーっとも考えてなかったせいであるけど。

受かったら、何の根拠もなくハッピーライフの始まりというくらい何にも考えてなかった。そんな事だからバシンバシンと社会人の壁に当たっていくのである。


ところで、電話とるのなんで、あんなに早いの?どっかにセンサーでもついてるの?


当時、電話のコール音は3回ぐらいでとるのがちょうどいいと思うよ。と就職課の先生方にアドバイスをもらいました。

が、この支社の人達、電話とるの早い、早い。ここでは、3回じゃ遅すぎでした。


まるで、獲物を狩るハンターのようにとるのが早いです。

半コールぐらいでとられます。当たり前ですが、仕事を処理しながらです。

負けてはならぬと1回だけ電話を凝視して待ちましたが、電話予知センサー

でもついているのでしょうか。コールがなった瞬間にとられてしまい、

勝てませんでした。え、何、あの、はやすぎて、この受話器をとろうとした手を

スゴスゴ戻すことの無念さよ…。


しょうがないので、先制パンチ上司と上の方達に頭を下げお願いしました。

無事に5回に1回はとれるようになりました。ただ、半コールぐらいが限度です。

猛者が手加減してくれても5回に1回…先は長い…。



支社の仕事の流れも場の雰囲気も多少わかるようになってきた7月頃から、少し

ずつやり方を模索し始めた。

先制パンチ上司に質問すると機嫌のよいときはすんなり答えてくれる時もありますが、大半は無駄にダメージを負って、尚且つ答えはいただけないという傷だらけの

パターンがほとんどなので、まず、パートさんにお昼に相談するようになった。

パートさんがわからなければ本社の方に聞く。

そういう流れになっていった。だって無駄にダメージ負いたくない。


5月いっぱいの休みを取っていた先輩にはあまり質問しなくなっていった。

質問に答えてくれた本社の方(経理課の係長)が気にしてくれて、なぜか、本社にかけるとその方か、その方がいないとその上の方が率先して答えてくれるのである。

先輩に質問で…といっても僕、答えられるよ!怖くないよ~、どーぞ、どーぞ。

と言って代わってくれず、嬉々として答えてくれるのである。

両人がいないと先輩に代わるのだが、意外なことに結構答えにつまっていた。


何でだろうと思っていたら、支社の人達、先輩が処理してなかった仕事もこちらに

渡していた。ええぇぇぇ…騙された…。

前任者は早かったよ? やってくれたのにやってくれないの?は、嘘だった、自分達がやりたくないだけだったとは…。なんとも支社の猛者達は中々強かである。

先輩には、私はそんな事まで、やってないからわからないと言われた時の衝撃よ…。

そして、そこまでやるなんて完璧主義なんだね?って言われた時の衝撃よ…。


先輩が処理してたからって言われたから、コッチは処理してたんじゃ!

自分の仕事だからって思ってたから処理してたんじゃ!

もう、嫌じゃ!完璧主義ってなに?はぁぁん?そんな訳ありゃせん!

本当にわけわからん。


心のオアシスは、もう、お茶淹れてくれるパートさんだけである。


他の支社の方達については、疑心暗鬼でいっぱいである。


どの人も胡散臭くしか見えない……。























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