第20話 入社11か月目 恒例の行事であるかないかが重要だ

2月になるとバレンタインデーがある。

アルバイトをしていた時は、当日にシフトが入っていれば渡していた。

店長には、面白いチョコ、パートさんには可愛らしいチョコを

選ぶのが結構楽しみだった。


その時は自由が利く学生だから、平日に売り場に行く事ができたので

とても楽しい時間だった。

一度、休日に行ったけど、あそこは戦略を立ててからじゃないと無理だった。

いつの間にか流されて、あっという間に出口にいる…。


果たして支社にはこの行事の開催はあるのだろうか…。


男性の人数がかなり多いので、お財布事情も大いにあるが

開催されないと、とても、とても嬉しい。

それより、個人プレーでいいのか、女性全体で渡すのか、

考え出すときりがないというか変な気をまわしすぎて面倒である。

盛大に空回りしそうだし。


結論:開催されるならくると思うけど、関わりたくない。予算的にも。

   なので、お声がかかるまで、問題をそっと棚上げしておきたい。


学生の頃は、割と楽しい行事だったのに、社会人になると苦行に大変身

するとは思わなかったよ。



ところで2月になると決算の見込みと次年度の予算組をもう一度しない

といけないらしいのだが…。


先制パンチ上司に伺いを立てないと、ハッキリ言って出来ない。

決算の見込みは、各部長に聞くなりすれば大まかな事は前回の9月の

時のやり方で、荒はあるだろうがなんとか出来る!はず…。

しかし、予算の方は…先制パンチ上司のお仕事らしく9月の時も

そこの部分は担当していない。


ペラっと予算額を記入した紙くれないかなぁ。

とりあえず進められる部分は、自分なりに形にして説明できるよう

にしておこう。

そして9月の時、処理したメモ!大活躍してくれよ!



…前回のメモ、万歳!

後から見直して注意事項書いてある、ついでに感想も。

前回の私、偉いぞ、優秀ぞ、よく忘れず書いておいた!


自分がつまずくとこわかってらっしゃる、うんうん。

が……感想の最後に走り書きで、美味しい物食べたいぃぃぃ

と書いてあった。お覚えがないぞ?

もっと有意義な感想を書いておいておくれよ、前回の私。



終業間際、先制パンチ上司から、予算の方は進めとくから

決算見込みは前回のやり方で処理してみて、分からなくなったら

ドシドシ聞いてね。と優しく言われた。


鳥肌が立った…。

優しくされると大体は嬉しいのはずなのに、この人に優しくされると

恐怖が先に来る…怖いね。


そして、11か月この人と仕事で過ごして分かったこと…

このモードの時は、何か頼みたい、もしくは押し付けたい時である。

身構えてお言葉を待つと…



バレンタインデー何か考えておいてね。だって。


1人1人に渡したいよね~。私も味見をキチンとしたいから、

女性陣にも全員、行き渡るようにね、買ってね。だって。


私からのお金は先に渡しとくね。これでよろしく。だって。


パートの人には、予算のお金は、私達(正社員)より千円くらいは、

安くしてあげてね。可哀想だし。だって。


後で他の人にもお金集めて、収支報告お願いね。だって。



女性陣にも行き渡るようにしなくちゃいけないの????




























   



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