第3話 第一の怪異

 翌日。四時四十分頃、ネレは校門の前に立ち、時間を待っていた。

 日は傾き、地平に沈みつつある。運動部も活動を終え、横を通り過ぎて下校していた。

 本当に七不思議と会えるのだろうか。もっとこう、おどろおどろしい儀式やまじないを経たりするのではなく、ただ時間通りに門を越えるだけで。

 完全ではないが足の傷は癒え、松葉杖も外せている。会えたはいいが何もできない――なんて事態にはならないだろう。

 ネレは左目だけでスマホの時計を確認し、秒読みに入る。


「三……二……一」


 緊張ゆえ、棒よろしく強張っていた足を前へ出し、門を越えた。

 ――ぞくりと何か、悪寒めいた感覚が、背中をざわめかせて。

 まばらに校庭を行き来していた生徒や教師の人影が音もなく、残らずかき消える。

 それどころか、空の色まで変わっていた。

 いつの間にやら太陽は姿を消し、夕暮れは黒に塗り込められ、台頭するが如く、紅い満月が頂点に座している。


「これは……一体……?」


 あまりの状況の変化ぶりに、硬直してしまう。

 確かに夕日は沈みかけていたが、ほんの転瞬で夜になるわけがない。

 校庭の有様とてそうだ。仮に残っていた全員がその場でワープでもしたとして、そんな芸当は今の科学では不可能。

 姿を消す魔法は複数系統存在するが、音を消せなかったりと欠点も抱える上、そもそもいずれも高度な修練を必要とするから、偶然全員が覚えていたというのはまずありえない。

 校舎へ近寄り、耳を澄ます。内部からは何の音も、匂いもしない。人の気配がない。

 最初から誰もいなかった――というのはないだろう。下校時刻は過ぎているものの、まだ居残っている不良生徒がいるかも知れないし、事務員や警備員だって詰めている。

 つまり、校舎内の人間も、同じく消えているのかも知れない。

 いや、と思い直す。むしろ移動したのは、自分の方なのか。


「これが……伊予原くんの言っていた、異界……?」


 ネレの持つ知識だけで説明のつかないこの怪現象は七不思議に通ずるものなのか。すでにその術中にかかっているという事なのか。

 身震いが走る。二の腕に鳥肌が立つ。

 科学にしろ魔法にしろ七不思議にしろ、ネレは今、間違いなく危険な場所に来ている。


(……帰るべき、なのかな)


 ――二人も入院、一人は不登校になっちまった。

 不良達の言葉が思い出される。恐らく、先ほどと同じように門を越えれば、元の場所へ戻れるはずだ。帰る手段がなければ、七不思議の噂が広まる道理がない。

 でも、とネレの脳裏に、冷ややかな目でこちらを見るクラスメイト達の顔がよぎる。

 そうだ。自分は取り戻したいのだ。

 たった一日だけだけれど、みんなとは仲良くできていたのに。

 吸血鬼の正体がバレたのは、自分のせいでもある。


「七不思議さえなければ。それに私がもっと、要領よくみんなを守れていれば……」


 浅ましいとけなされてもいい。何が何でも、あの失点を取り戻したい。

 ただの人間として、みんなと普通に話したい。騒がしく遊びたい。

 一人は嫌だ。今日だけで死ぬほど辛かった。無視され続けて、とても悔しかった。

 一年間も、あんな思いが続く。下を向いて過ごす。そんなの、絶対嫌だ。


「私……友達、欲しいもん」


 ――俺、伊予原幽也。改めてよろしくな。


 伊予原の明るい笑顔と言葉が、思い出された。


(……頑張ろう。頑張らなきゃ)


 拳を握り込む。覚悟を決めて、前へ踏み出す。

 校舎の扉へ手をかけると、鍵がかかっていなかったのか、抵抗なく開き――。

 踏み込んだ正面玄関は、不気味なほどに静まり返っていた。

 やはり、人っ子一人見当たらない。耳が痛いほどの静寂で満ちていて、窓の外からは月の光が射し込んでいる。


「えっと……どうしよう」


 今更ながら、途方に暮れてしまう。

 どうすれば、七不思議とやらに会えるのか。会ってどうすればいいのか。

 相手は話が通じるのか。それ以前にネレの力で対応できるものなのか。

 何一つろくに段取りを決めず、ここまで来てしまった。よって方針が浮かばない。

 靴箱の前でぼんやり立ち尽くしていた時――不意にハウリングにも似た音響が鳴り。


「ファーハハハ!」


 甲高い高笑いが、思わず耳を塞ぎたくなるくらいの音量で、廊下中、というか一階全体に、散弾が乱反射するかのような激しさで響き渡った。


「よくぞ来たな、侵入者よ! ここは我ら六不思議の守りし聖なる地!」


 笑いが収まるや否や、勢いそのままに厳粛な声音で、何やら語り始める。


「不浄なる貴様が愚かなる好奇心を頼りに、土足で踏み込んでよいものではないのだ!」

「これ、放送室から放送してるのかな……」


 ネレの呟きをよそに、声はさらに数オクターブ跳ね上がる。


「この地の安寧を脅かすというのならば、こちらも相応の用意がある! せいぜいどれだけ耐えられるか、試してみるがいい! 尻尾を撒いて逃げ帰るなら今うちだ!」

 ファーハハハ! と、特徴的な笑い声を残し、放送は途切れ――静まり返った。

「……誰もいない校舎で、闇に響く高笑い……?」


 まさか、今のが一つ目の七不思議とでもいうのだろうか。

 妙に高いテンションだったが、内容的には退去勧告をしている風だった。

 ネレが校舎に入って来た事は、放送をかけた何かに、もう気づかれているのだろう。

 とはいえ、言うなりに回れ右はできない。手ぶらで帰るつもりはなかった。

 目標もできた。放送室を調べれば、先ほどの何者かの手がかりが見つかるかも知れない。


「行こう……」


 この学校はおおまかに教室が並ぶ中央の普通棟と、西側には部室棟、東側には特別教室が集まった特別棟で分けられている。

 放送室があるのは特別棟だ。そちらへ足を向け、歩きだす――。




 廊下の様子は、取り立てて変わりないように見える。ただ、奇妙な視線を感じた。

 振り返っても誰もいない。ドアの窓越しに覗く教室も、全て無人だ。

 しかし、そこかしこから見られているかのような、あるいは観察されているような。

 どうにも落ち着かない感覚が、どこまでも背中を追って来る。

 学校全体を包む、奇怪な雰囲気に当てられているだけだろうか。それとも。


「誰もいないのに感じる、背後の視線……」


 肌を舐められるような拭い難い感触はあるものの、正体は分からず、さりとて何か実害があるわけでもないのがまた絶妙に神経へ障る。


「妙に、鏡が多い……」


 廊下の各所、それに教室など、いやに鏡が目に留まるのが気になった。

 上半身が映るくらいのよくあるタイプだが、それがある程度の間隔を開けて壁や、時には天井にまで張り付けられている。

 覗いてみると、固い面持ちの自分が映るだけで、どの鏡にも特に異常はない。


(そういえば、昔の吸血鬼は、鏡に姿が映らなかったらしいけど)


 視線と鏡。関連性があるのか掴めないまま、渡り廊下へ向かいかけた矢先。

 目の端に映る窓の向こうで、獣じみた体躯の影が二つ、並んで横切った気がした。

 弾かれたみたいに振り向く。土を蹴って疾駆するような音も聞こえたため、窓へ寄って覗くも、すでに文字通り影も形もない。――見間違いだったのだろうか。

 色々消化しきれずもやもやするものを抱えながら特別棟へ入った途端、空気が変わった。

 それまでは空気の淀み一つない静けさだったのが、妙にひりつくような、張り詰めた気配を感じるのである。緊張が促す生理的動作として、喉が生唾を呑み下す。

 とにかく進もう――歩き始めた時、目前の階段の上から、重々しい音が聞こえて来た。

 一歩、また一歩。こすれ合い、無骨な音を響かせるのは、赤漆の分厚い甲冑。

 まず目を引くのは、一対の湾曲した角を装飾とした兜。そして牙を生やした、鬼の面。

 携えるは長大な薙刀。幽鬼のようでもあり、悪鬼のようでもある、まさに鬼武者だ。

 進みかけた足が、止まる。逆の足が、思わず半歩下がっていた。

 ネレよりも一回りはある巌の如き巨躯と、面の凄みに気圧されたのもそうだが、何より。


「立チ去レ……」


 地の底から響かんばかりの、うなりにも似た言葉とともに、殺気じみた気迫が発せられる。その物々しい出で立ち。総身から立ち上る鬼気。

 間違いなく、警告であった。従わなければ、確実にその得物が振るわれる事だろう。


「立チ去レ……早ク……」


 鬼武者が、再び声を発する。言葉が喋れるという事は、意思疎通が可能なのではないか。


「あの……聞きたい事があって」


 ネレは一度唇を噛み、対話を試みた。が。


「立チ去ラナケレバ……痛イ目ヲ見ル!」


 鬼武者はやおら、下段に薙刀を構えるなり、猛然とした勢いで詰め寄って来た。

 躊躇もなく薙刀がすくい上げられ、ネレはとっさに後ろへ飛びのく。

 前髪ぎりぎりを刃先がかすめ、背筋が凍った。


「ま、待って、話を……!」


 鬼武者は問答無用で薙刀を振り上げ、上段からまっすぐ振り下ろして来た。

 これもどうにか、横へステップして躱す。

 しかし鬼武者は膂力だけで軌道を変化させ、避けた先のネレめがけ、切っ先を走らせる。


(速い……それに力も強い!)


 体勢を崩しながら後ろへ転がると、振り抜かれた薙刀は窓を叩き割った。

 なんとか間合いを離すも、手にずきりと痛みが走る。

 飛び散った破片で傷ついたのだろう。手の甲が一文字に裂け、どくどくと出血していた。


「コレ以上抗ウナラ、殺スゾ……立チ去レ!」


 一応、護身術程度は習っているが、それでも長物相手に無手での防戦は厳しい。

 おまけに攻撃は鋭く、重く、わずかな時間でも明らかな達人であるのを思い知らされる。

 このままでは到底、勝ち目はない。ぶちのめされるのが関の山。

 鬼武者は追撃して来る事なく、こちらの出方を見るためか、薙刀を構えて佇んでいる。


 ――逃げるべきなのか。

 痛みと焦燥に追い込まれた精神がネレに見せた光景は、こちらを遠巻きに見る生徒達。

 恐れと嫌悪が半々に入り混じる、こわばった眼差し。


(……嫌だ……もう、あんなのは)


 ここで逃げたら、何のために来たのか分からない。だから。


「伊予原くんの言う通りだ……」


 奥歯を噛み締めて、立つ。鬼武者を見つめ返し、ポケットの中のスマホを探る。


「……たまったものじゃない」


 全ての魔法は、ニーメゲル中央魔法管理局――通称魔法局――と呼ばれる機関によって電子化・管理され、一般への貸与が許されていた。


「ねえ、勝負しよう」


 電子化された魔法は、スマホなど、大抵は携帯機器のアプリとしてインストールされる。

 まずはアプリを起動し、それから己の所持する触媒を媒介に、身に備わった魔力を消費し――そうして初めて、魔法の使用が叶うのだ。


「触媒は……自分の血」


 血を己の細胞から作り出せる、吸血鬼だけの特権である。

 アプリを指の腹で押して起動すれば、まず流れ出ていた出血が止まった。

 それだけにとどまらず、ひび割れにも似た音を発し、硬化していく。

 ネレが腕を振るえば、傷口からさらに勢いよく鮮血が飛び出し――さながら手から生えた、深紅の剣を形成したのである。


「血ノ、魔法……マサカ貴様、吸血鬼……!?」


 厳かでありながらも無機質であった鬼武者の声色に、初めて動揺らしき震えが走った。


「そうだよ。私は、私が触れている自分の血を操れる」


 ネレは内心の恐怖を打ち消すため、強気に語りながら、如才なく距離を詰める。


「私が勝ったら、色々聞かせてね」


 踏み込みとともに突きを浴びせるも、これは構えた薙刀の柄で受け流された。

 ネレの体幹も崩され、身体が泳ぐが――そのまま床を蹴りつけて横合いのドアへ体当たりし、吹っ飛ばしながら教室内へ転がり込む。

 すぐさま鬼武者が追って来る。ネレは近くの机へ飛び乗り、そこからさらに跳躍。


 中空から急降下しつつ襲い掛かり、斜めにかざした剣撃を放つ。


「大戦ヲ生キ延ビタ……生キ残リカ!」


 されど、鬼武者はこの一撃も防御。返す刀で薙刀が一閃するも、ネレはすかさず相手の肩を蹴って宙返りし、後方の机へ飛び乗る。

 鬼武者が苛立たしげに机を吹っ飛ばしながら追い迫れば、また別の机へ退避し、周りをぐるぐる回るように移動を繰り返す。


「チョコマカト!」


 時には三角飛びの要領で壁にも飛び移り、天井にも剣を突き刺す事で逆さの足場とする。

 そうして死角から飛び掛かり、一撃離脱の攻撃を見舞っていった。


 次第に、鬼武者の肩が激しく上下し始める。足回りにもワンテンポ遅れが生じ始めた。

 防御力は高くとも、あれだけ凄まじい重量の甲冑を着たままでは、ネレほどの敏捷な動きはまず無理である。

 その上、教室という広い空間を縦横無尽に駆けるネレを追い、動けば動くほど、加速度的に疲労も溜まろうというもの。

 机という障害物が多い場所なのも、薙刀を用いるには不向きだ。

 威力を削がず振るうためには軌道を限定させなければならず、攻勢が単純なものになってしまう。

 だからと先に机を打ち払っていけば、それだけネレに対して隙をさらす事にもなる――。


 そのネレの側にも、余裕などまるでなかった。

 迎撃へ注力せざるを得ない鬼武者に、確かにこちらが流れのイニシアチブを握ってはいるものの、それは地の利を得ているからで、力や技量においては相手の方が格上。

 舐めた攻め方をしようものなら、たちまち薙刀に捕捉され、叩き落とされるだろう――その証拠に、血で生成した剣はとうに幾度か折られ、何度か作り直している。

 伴う血の消費で、貧血が起きかけていた。

 吸血鬼の細胞は、主に酸素を取り込む事で活性化し、新たな血を作り出す。

 そのため、さっきから息を整えようとしているのだが――不安定になるにつれて、鮮やかな紅を誇っていた血の剣までも、黒ずみ、ところどころひび割れが走ってしまっている。

 早く勝負を決めなければ。ネレは床へ飛び降り、突進した。

 ヒット&アウェイ戦法から切り替え、間合いを離す事なく一気に攻め続ける。


「オノレ……侵入者風情ガ!」


 袈裟懸けに斬りつけ、突きの連打を織り交ぜ、姿勢を低めて足元を払い。

 狙いを揺さぶる猛攻に辟易したか、ついに鬼武者が後ずさった、が。

 その後ろは壁。逃げ場がない状況へ追い込んだ上で、渾身の斬撃を放つ。


 薙刀を弾き飛ばし、そうして――剣先を、鬼武者の喉元へ突き付けた。


 暗い教室内に、お互いの荒い息遣いだけが響く。どちらが勝利したかは明白。

 けれど、と。先ほどの戦闘を経て、喉に刺さったみたいな違和感があった。

 同時に疑問もよぎる。そもそも七不思議とは何なのか。

 たった今対峙しているこの存在は、人間なのか、それとももっと別の何かなのか。

 得体が知れないという感覚は今もあるが、どちらかというと薄れつつあった。

 本気で刃を合わせてのやりとり。土壇場の駆け引き。疲労する身体。

 鬼武者には考えて判断する頭がある。目的のため奮起するだけの何かを抱えている。

 単なる怪現象が、そこまでの特性を持ち得るものなのだろうか。

 ネレの想像する怪異と比べ、この相手には、あまりにも生の『色』があった。

 その時――間近にある鬼武者の首元。白い。白い肌が覗いている。

 それに、鬼の面の奥。ネレの肩越しから射す月明かりを受けてちらりと光る、目の色。


「緑の……瞳?」


 不意に。みぞおちに何か、硬いものが押し当てられる感触がした。

 ――手だ。硬質な籠手が包む腕に、何か透明な、空気の渦めいたものが巻きついていて。


「……ウインド・ブレイク」


 囁くような声を聞いた直後には、渦が猛然と爆散した。

 吹っ飛ばされたネレは机と衝突して散乱させ、床にも背中を打ち付け。

 明滅する視界の先で、鬼武者が壊れたドアから廊下へ飛び出していく後ろ姿が窺えた。


「……油断しちゃった」


 訝しく感じた一瞬の心の緩みを突かれたのだろう。己の甘さを実感しつつ、後を追う。

 それに先ほどの現象には、一瞬だが魔力のうねりを感じた。

 恐らくは魔法。であれば、相手はやはり人間なのか。

 鬼武者は特別棟中央の階段を、少しよろめきながら上がろうとしている。

 疲れている今なら、追いつけるはずだ。

 ネレもただちに、階段を駆け上がる。

 踊り場が射し込む月光が周囲を照らしているとはいえ、薄暗いのは間違いなく、足元にはよく注意し――。


 何段目か。上がりかけた足が、空を切った。


「……え?」


 手すりに捕まるだけの猶予もなく、視界がぐるりと回転し、身体がつんのめり。

 顔面、肩、腹部。あちこちをぶつけながら、階段から真っ逆さまに転がり落ちた。


「い……たい」


 ――一段ずつ確認しながらとまではいかずとも、自分は確かに気を付けていたはず。


 なのに、転倒した。まるで突然、階段自体が動いてネレを避けたみたいな――あるいは一段だけ消失したみたいな、不可解な感覚である。

 気のせいであるのか、それとも何か別の要因のためか、考えている暇はなかった。

 もう一度、より注意しながら階段を上がり、なんとか二階へ辿り着く。

 けれどその頃には、鬼武者の姿は影も形もない。


「振り切られた……」


 途方に暮れて立ち尽くすネレは、窓の外に多くの雨粒が垂れ落ちているのに気づいた。

 いつの間にか月は曇天の後ろへ姿を消し、雨が降り出している。

 しとしとと降り続く雨音と、いまだ荒い己の呼吸に混じり――何かが聞こえた。

 反射的に、耳をそばだてる。涼しげな夜気に乗って、か細くも確かな音が届いた。

 ――ピアノだ。ピアノがどこかの教室で奏でられている。


「これも、七不思議、なの……?」


 当初は放送室へ向かおうとしていた。でも、この音の出どころも気にかかる。

 同時に、タイミングも良すぎる気がした。まるで誘われているような。

 迷ったあげく、ネレはピアノの音色に導かれるみたいに、行く先を変えた。

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