私は最初『月光』という曲を知らずに読みました。一人ひとりのキャラクターの細かい心情などに心を動かされ、泣いてしまいます。
次に、月光を流しながらもう一度読みました。すると、月光の奏でる一つ一つの音が、彼らの想いを表しているように感じ、また泣いてしまいます。
その後、いろいろな方の奏でる月光を聞いてみました。今までは考えたことのなかった、『その人の気持ちの込められた弾き方』に気づき、この小説の情景を思い出して泣いてしまいます。
ルネ先生がこの『月光』というピアノが好きだったからこそ描かれた小説です!
まだ読まれてない方も、一度読まれた方も、私のような読み方で楽しむのも面白いですよ!
改めて、こんなにも素晴らしい小説を生んでいただきありがとうございます!!!!!
少年少女の葛藤と苦悩、その選択とそれを受けてまた苛まれる様子を、「月光」の音色に重ねて描く、ボーイ・ミーツ・ガールの行く末。
眼に映る彩も、耳が拾う音も、あまりに美しくて、ずっとそれに焦がれていた。
それはさながら星に手を伸ばすように、或いは月に手を翳すように。
眩しい月に手を伸ばすと、自分に影が落ちる。光は降りかからない。
月の光で照らされる若人は、その音律から懸命に己の求めるものを見出そうとする。
彼らは影など気にせず懸命に手を伸ばしていた。そのはずだった。
光が強いと、それに比例して影は濃くなる。
照らし照らされ、彼らは光にも影にもなり得るのだろう。
ベートーヴェン ピアノソナタ14番 「月光」と、僕と彼女。
とにかく読みやすい文章。
「月光」への、作者さんの繊細な感性で綴られた音を奏でる文章は、読み手をぐんぐんと「月光」の世界へといざなっていきます。
気づけばその旋律に心を掴まれて、感情を大きく揺すられることでしょう。
音楽を題材にした小説で、読んでいて本当に旋律が聞こえてきたという経験は、この小説が初めてです。
終盤にさしかかるにつれて、どんどんと鳥肌が立ちました。
短いので短時間で読めます。
小説で聴く「月光」の世界に、浸ってみませんか?