綺麗でいて残酷

彼女はなぜ死んだのか。
そこに疑問を持った。

号哭
この一言で全てがまとまる気がした。
ピアノが泣いているという表現の裏には、弾いている者自身の心の叫びが泣いているようだった。

ピアノは感情の曲だ。
ピアノを弾く者は、曲に感情移入してしまうのだろう。私はほとんど体験がないから分からない。

だけど、その感情は自分自身が持ち、感じている確かなものだろう。

月光を聴いてどう思うかは聴いた者自身の持つ大きな感情が影響してるのではないかと思う。もしくはその人自身の人間性が人生がその感じ方に繋がるんじゃないかなと思ってしまった。

この作品は、彼女の死が生が作り出した感情の物語だと思う。
音楽を題する物語を書くことは難しい。その音楽を深く知らないといけないからだ。作者はこの月光をちゃんと体現していると思う。
綺麗で美しくて………でも残酷な彼らの人生がここに詰まっている。
読めば読むほど、新しい発見をする。
感情を大きく動かされる作品だと思った。

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