旧メンバー2 くっころ
剣士「闇魔道士は連れて行けそうになかった。次は誰を誘おうかな」
???「おい、そこにいるのは剣士じゃないか!」
剣士「ん?」
ーー振り返ると騎士の格好をした女が立っている。
剣士「女騎士じゃないか。久しぶりだな」
女騎士「くっころ!」
剣士「え?」
女騎士「なんだ、鳩がくっころを食らったような顔をして」
剣士「待って。一つ目の謎が解決していない所に更なる謎を差し込まないで。」
女騎士「くっころというのは挨拶だ!」
剣士「いやどういう挨拶だよ。どんな文化的背景があったら会った瞬間『くっ殺せ!』って言い合うんだよ」
女騎士「この辺の人たちはみんな言ってるぞ!」
通行人A「くっころ!」
通行人B「くっころ!」
剣士「いや恐っ! 絶対お前が感染源だろ!」
女騎士「しかし久しぶりだな。共に旅をしたのが懐かしいぞ」
剣士「って言っても、旅から帰って一年くらいしか経ってないんじゃないか」
女騎士「なるほど、くっころぶりだな!」
剣士「いや、くっころぶりって何だよ」
女騎士「前にも言ったかもしれないが、くっころとは私であり、お前であり、『我々』でもある」
剣士「概念か」
女騎士「それはそうと庭にパンジーを植えたんだ」
剣士「お前すごい勢いで舵とってきたな」
女騎士「ほら、早く育ってほしいからくっころパウダーを掛けたんだ」
剣士「やめて。何その『お前ならこの気持ちがわかるだろう』みたいな言い方。まずくっころパウダーって何なんだよ」
女騎士「何なんだろうな?」
剣士「知らんのかい」
女騎士「で、くっころパウダーをかけてすぐに枯れてしまって。何が原因だったんだろう」
剣士「問題文の中に答えが載っているよ」
女騎士「でも次の日同じが場所から手が生えてきたんだ」
剣士「何の手!?」
女騎士「私は嬉しくなった」
剣士「いや発する感情がおかしいだろ!」
女騎士「だからその手に『孫の手』を渡してみた」
剣士「ややこしい上に不気味な事すんな!」
女騎士「握った」
剣士「それ土の中に人入ってんじゃないのか?!」
女騎士「私は悲しくなった」
剣士「お前ポエマーみてえなメンタルしてんな!」
女騎士「次に熱々のご飯を渡した」
剣士「なに楽しんでんだよ!!」
女騎士「握った」
剣士「おにぎり作ってんじゃねえよ!!」
女騎士「美味しかった」
剣士「食べたの?!」
女騎士「私はくっころパウダーをもっと掛けた」
剣士「何で地雷原に爆弾投下するような事するんだよ!」
女騎士「一気に10本くらい手が生えた」
剣士「もう完全にホラー映画じゃねえか!」
女騎士「なんと全て左利きだった」
剣士「知らねえよ!!」
女騎士「私はおにぎり店を始めた」
剣士「合理的!!」
女騎士「苗木があるからお前にもやろう」
剣士「いらんわ!」
おわり
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