旧メンバー3 正体を現した女
女騎士「剣士。くっころぶりだな」
剣士「いや昨日会ったばっかじゃねえか」
女騎士「ああ。だからさっきのくっころとは『また会ったな』的なニュアンスなんだ」
剣士「ややこしい……」
女騎士「そういえば一緒に住んでいた、くっころ使いは元気か?」
剣士「そんな不気味な知り合い居ない」
魔法使い「呼びましたか?」
剣士「呼んでない」
女騎士「おお、魔法使い。タケノくっころのように出て来たな」
剣士「いやその比喩表現もよく分からんし。あ、くっころ使いって魔法使いの事か」
女騎士「そうだ」
剣士「で、魔法使いは何でこんな所にいるんだ」
魔法使い「いえ、お腹の子を見てもらうために産婦人科に行ってきたんです」
剣士「そっか、……えええええええええええ!!? お腹の子!?? 誰の子だよ!」
魔法使い「すっとぼけないで下さい。剣士さん以外誰がいるって言うんですか」
女騎士「おい剣士。お前も隅におけないな。」
剣士「いやいやいやいや全く身に覚えがないんだが! 魔法使い、お前本当に妊娠したのか!?」
魔法使い「してませんよ」
剣士「してねえのかよ!! じゃあさっきのくだり何だったの!?」
女騎士「では何故産婦人科に行くんだ?」
魔法使い「妊娠はしていませんが、想像妊娠はしました」
剣士「だったらお前の想像上の出来事じゃねえか!」
魔法使い「(お腹を摩りながら)パパが何かおかしなこと言ってましゅねえ」
剣士「いや怖い怖い怖い! 本気で怖い!」
女騎士「想像妊娠で行ったら病院にくっころ迷惑じゃないか?」
剣士「すごい! 女騎士がまともな事言ってるように聞こえる!」
魔法使い「でも生まれる気がするんです」
剣士「お前は何を言ってるんだ」
女騎士「じゃあしょうがないな」
剣士「しょうがなくねえだろ!」
魔法使い「私は妊娠していませんが、飼ってる猫が妊娠したんです」
剣士「あれ、猫なんて飼ってたっけ?」
魔法使い「いや飼ってないです」
剣士「んん!? じゃあ何でさっき飼ってるって言ったのかな!? さっきから何か起こってるようで何も起こってないなあ!?」
女騎士「じゃあ私が特注のベビーベッドを送ろう」
剣士「おい話を進めるな! ベビー出来て無いんだってば!」
魔法使い「(お腹をさすりながら)パパひどい事言いましゅねえ」
剣士「ねえ!! そろそろ俺のツッコミでどうにかできる範疇じゃ無くなってくるから本気で止めて!」
女騎士「よし、くっころパウダーも送ろう」
剣士「それ地面から手が生えてくる奴だろ! これ以上ホラーにしてどうするんだよ!」
女騎士「にぎやかで良いじゃないか」
剣士「いやホラーハウスみてえになるだろ!!!」
魔法使い「そうだ、名前を決めましょう!」
女騎士「いいね!」
剣士「よくねえよ!」
女騎士「名前に『くっころ』を入れてみるのが良いんじゃないだろうか」
魔法使い「いいですねえ!」
剣士「よくねえよ!!!」
女騎士「じゃあくっころマン太郎とかどうだろう?」
剣士「駄目に決まってんだろ! 何だそのとっとこハム太郎みてえな名前は!!」
魔法使い「うっ、そろそろ陣痛が……」
剣士「来るわけねえだろ!!」
魔法使い「ふふっ……、生まれたら一緒に子育てを……」
剣士「誰か助けてえええええ!!」
おわり
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