ボウフラ並みの戦闘力しかないけど山賊と戦うことになった件

ーー剣士達はモンスター討伐のため山に登っていた。







剣士「ラビット型のモンスターが飛び出してきたぞ!」








見習い魔導士「よく見てください。あれはただのウサギですよ」








剣士「ミジンコを倒しながらレベリングしてた俺の一撃を食らえ!」








見習い魔導士「あ、待って! 色々突っ込みどころあるけど一回待って!」








ーー剣士の攻撃! しかしウサギには効いていない!








見習い魔導士「……え?」








ーーウサギの噛みつく攻撃!








剣士「ピャーッ!」








ーー剣士は吹っ飛んだ!








見習い魔導士「どういう力学が働いて飛んでるの⁉︎」








剣士「はあ、はあ、何ておっかねえんだ」








見習い魔導士「そのテンションでウサギを語る人初めて見ました。というか剣士さんは何て弱いんですか」








剣士「俺は弱くなんかねえ!」








見習い魔導士「ウサギに負けた後に言い切れるのは凄い」








ーーその時、二人の側をバッタが横切った!








剣士「下がれ見習い魔導士! モンスターだ!」








見習い魔導士「いやバッタですよ‼︎ 幻覚見えてるんですか⁉︎」








ーーバッタは飛び跳ねて剣士の頭に止まった。








剣士「ピャーッ!」








見習い魔導士「さっきも思ったけどそれ何の声!?」








ーー剣士は吹っ飛んだ!








※※※








見習い魔導士「風船なんですか?」








剣士「何だその不気味な質問は!」








見習い魔導士「だってさっきから吹き飛びすぎですよ! あとバッタに負けるってどういう縛りプレイの元だと達成できるんですか!」








剣士「くっ! だけど俺は諦めねえ!」








見習い魔導士「ええ……、もう今日はやめましょうよ。ほら、山菜でも取って帰って食べましょう」








ーーフキノトウが咲いている。








見習い魔導士「あ、かわいい」








剣士「ピャーッ!」








ーー剣士は吹っ飛んだ!








見習い魔導士「何が起こったの⁉︎」








※※※








剣士「くそっ! どうなってるんだ!」








見習い魔導士「それ私のセリフですよ‼︎」








剣士「あとピャーッって何だよ!」








見習い魔導士「それも私のセリフですよ‼︎ というか何なんですか貴方!」








剣士「何って俺は魔王を倒す男だ!」








見習い魔導士「無理無理無理無理!」








剣士「……確かに、今は無理かもしれない」








見習い魔導士「いや「今は」とか、そんな生優しいレベルじゃ無いですよ⁉︎ 最早今まで生きていたことが奇跡レベルじゃないですか!」








剣士「なるほどな。お前の言いたいことはよく分かる」








見習い魔導士「絶対分かってないよこの人‼︎‼︎」








剣士「でも、もうすぐ日が傾くし、今日はこれくらいにしとくか」








見習い魔導士「(よ、良かったぁ)」








剣士「ん? おい、何か聞こえないか? 女の悲鳴みたいな……」








見習い魔導士「また幻聴ですか?」








剣士「またって何だよ!」








???「助けて‼︎」








剣士「ほら聞こえた! 行くぞ!」








見習い魔導士「ま、待って下さいよぉ!」








フキノトウ「果たして悲鳴の正体とは……? 剣士達は無事山を降りることが出来るのだろうか」








つづく

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