【1話1分】サクッと読める異世界コント2

セミを食べようとした結果

狂戦士「ヒャッハー！　セミの幼虫食い放題だああああ！！」

ーー狂戦士は公園で穴を掘っていた！

剣士「おいやめろ狂戦士！　公園の管理人さんから怒られるぞ！」

狂戦士「うるせえ！　俺はモグラだあ！」

剣士「嘘じゃん！！　完全に！」

狂戦士「モグラがセミを食べて何が悪いモグ！」

剣士「何その取ってつけたような語尾」

狂戦士「あれ？　何か地面が光って……」

剣士「うおっ！　眩しっ！」

ーーー目を開けると、半裸の少女が浮いている。

剣士「だ、誰だ？」

狂戦士「どう見てもセミだろ」

剣士「どう見てそう思ったんだよ！！」

少女「私は癒しを司る者、パナケイア……。私を呼んだのは、誰？」

狂戦士「はいはいはい！　俺っ！　俺俺俺俺俺俺おえええええええええ！」

剣士「必死すぎる」

パナ「私にできることなら何でも言って……。してあげる」

剣士「お、おい！　そんなこと狂戦士に言ったら！」

狂戦士「ちょっとふわっとし過ぎじゃない？　具体的に何が出来るの？　英語喋れんの？」

剣士「何で圧迫面接なんだよ！」

パナ「私はどんな傷も、病気も癒すことが出来る……」

狂戦士「へっ！　地中から出てきた奴が信用出来るかよ！」

剣士「穴掘ってセミ食ってた奴が人のこと言えんのか」

パナ「信用されなくて悲しみぴえん」

剣士「何だお前」

パナ「悲しいから死んで……」

剣士「？！」

ーー突然、空から巨大な岩が降ってきて狂戦士の上に落ちた！

狂戦士「ぎゃあああああああっ！　漬物になるううううう！」

剣士「いや漬物にはならんだろ！」

パナ「私のこと、信用、する？」

剣士「脅迫じゃねえか！！」

狂戦士「分かった！　する！　テメエのこと信用するうう！」

パナ「信用してもらえて嬉しい……だからこのまま押しつぶすね」

剣士「何で！？」

パナ「治すところ見せてあげたいから」

剣士「どのみち潰すんじゃねえか！」

狂戦士「ぎゃああああああ！」

ーー狂戦士はペラッペラになった！

パナ「可愛い……」

剣士「（こいつ怖っ！！）」

ーー狂戦士は元に戻った！

狂戦士「何すんじゃオラぁ！！」

剣士「自分で戻れるんじゃねえか」

狂戦士「じゃあ引き続きセミ食う作業に戻るぜ！」

剣士「それはやめろ」

おわり