東洋絵画の鑑賞手引き

久里 琳

1 はじめに 読み解きの娯しみ


 芸術を鑑賞するのに、大きく二つの方向があるのだと思います。

 一つは、美を官能的に、直感的に堪能する。

 もう一つは、作品を理知的に、分析的に味わう。


 たぶん前者の方が圧倒的に強い要素だと思いますが、そこに後者の要素を一滴二滴加えると、新たな愉しみが味わえるかもしれません。

 ここでは、そんな娯しみ方をするための、ちょっとした情報をご紹介していきたいと思います。


 西洋画に関しては、その手のお話がけっこう知られていますよね。

 例えば――

 『最後の晩餐』でユダが銀貨を手にしているのは、イェスだけに見えた予兆なのだとか。『春』『ヴィーナスの誕生』は対になって新プラトン主義的な愛の寓意を表しているとか。

 基本文脈として、聖書やギリシア神話の知識があると、ぐっと絵の世界に入りこみやすくなります。


 似たような読み解きの愉しみを、東洋絵画でも味わうことが可能です。

 そのためのガイドとなるのが、東洋思想や、仏教説話、歴史説話なんかの知識。あるいは、中国絵画や、仏教美術の大きな流れの俯瞰。

 なんだか小難しい話と思われそうですが、、なるべく軽くご紹介したいと思います。


※ 美術好きな方にも、さほどじゃない方にも、それなりにお楽しみいただけるようなお話を紹介したいと考えています。……が、私の東洋美術に関する理解はもちろん専門家には遠く及びませんし、不正確な記述や、記憶違い、考え違いがあるかもしれません。ただの個人的見解も多々含みます。



 * * *


(以下、言い訳です・・・)

 3月はなにかと忙しいのに……、「カクマラソン」企画につられて書き始めました。

 KACのお題に沿った作品を出さない日とかに、不定期掲載予定です。もし途中で力尽きたら、4月以降に再出発するかもしれません。


 読み返しとかを期待されている方には、ご期待にお応えできないかもしれませんので、そのつもりでお願いします。。。


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