天使の梯子

｢生まれ変わったら本になりたい｣
そう思い続けた人生だった。剥き出しの木と古紙の匂いのする薄暗い図書館の奥にひっそりと佇み幾つもの夢を見て居たい。

心が壊れてしまったのは何日からだっただろうか、育児放棄された日、虐められた日、或いは「あの日」、様々な事が起こりすぎて今となっては分からない。それすらも表には出せず、上辺だけ良い人で生きてきた。
これを読んであなたは、少なくとも｢自分より不幸な人は世の中に居る｣という安心感を得ることが出来るだろう。
少しばかり、この物語にお付き合い願いたい。