第1章 純白の少年 第16話 歪んでゆく

次の日の朝、普段は朝ごはんを作ってくれる母は居なかった。私は布団まだ起こしに行く。

「ねぇ、朝だよ」

「ごめんねぇ、私起きれなくなっちゃった」

「朝ごはんどうするの?」

「ごめんねぇ、自分で勝手に作って」

「僕、やり方わかんないよ」

「パンは生でも食べられるよ、ごめんねぇ」

「…分かったよ」

その日は生パンを食べて学校に向かう、いつも通り虐められて帰るとあの男が話してきた

「母さんが壊れた、土曜日になったら3人で医者に向かう」

「お母さんはどこも悪くないよ?」

「心が壊れた時は心のお医者さんに向かう、横浜に俺が通ってる所がある」

私には心が壊れるという意味がよく分からなかった、医者に行って薬を飲めば治るのかなくらいに思っていた。

横浜までは電車で1時間半程の長旅だ、せいぜい田舎の1駅くらいしか行ったことのない私は少しワクワクしていた。


生パンとコンビニ弁当で土曜まで食い繋ぎ、バスで10分で最寄り駅に向かう、紙の切符を3人分買い電車に乗る、大体30分程経った時の事である。

「まだ着かないのー?」

私は飽きていた

「まだ3分の1だ」

「長いよー」

「私のせいで、ごめんねぇ」

まだ旅は始まったばかりだ。

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