第1章 純白の少年 第09話 小学校入学
卒園から入学までは一瞬であった、家にいる日々に慣れ、だらけ切っていた体に鞭を打って外へと出る。
母と共に小学校へと歩く事10分、住宅街が広がっている
「まだ着かないのー?」
「まだまだだよー」
20分、視界を横に向けると海が見えてきた
「まだ見えてこないねー」
「そろそろだよー」
25分、足が痛くなってくる
「まだ着かないの?」
「もう着くよ」
30分、疲労の限界でやっと校舎見えた。が、そこにそびえ立つのは上りの急勾配だった。
「やっと着いたねー」
「着いてないじゃん、これを登るの!?」
「私にも厳しいかも」
35分、春だというのに汗だくでようやく敷地内に着く。入学式は体育館で行われた、校長先生の長いスピーチの後新入生代表がスピーチして終わる普通の入学式だ。
新しい環境だが、この感じなら上手くやっていけそうじゃないか?そう思っていた自分を呪いたい、ここは6年間の檻と拷問器具だったのだから。
教室で自由時間を迎え生徒同士の話が始まる。私は何故か注目の的だった。
「君誰?、どこの保育園から来たの?」
「僕は教会の幼稚園から来たんだ」
「そっか、じゃあ「よそ者だ」」
「よっそ者」パァン
「よっそ者」パァン
「よっそ者」パァン
音頭を取って揃って手を叩く
後から聞いた話では殆どの生徒が近くの保育園を通って入学するらしい、そして私は引っ越す前の幼稚園に通い続けていた。
昔の田舎にとってよそ者とは居てはいけない存在であり、何をやっても許される存在だったのだ。
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