第1章 純白の少年 第11話 亭男の策略
次の日、教室に入ると視線が一気にこちらに集まった。いつものメンツだけでは無い、温厚な人たちですらこちらに怯えていた。
「来たよ」
「良く来れたな」
「あの人怖い」
先生が来る、こちらを見て刺すような視線を向けてくる
おかしい、私が囲まれて虐められたはずなのに。何故こちらが敵になっているのか。
ホームルーム後先生に呼び出される
「〇〇君、どうして友達の傘を壊したの?」
そういえば脱出する時そんな事を言っていたような気がする。
「あのね、人の傘を壊すのは悪いことなんだよ。初めての環境で怖いかもしれないけどそんな事やってはいけないんだ」
亭男は自分達が囲いこんだ事は伝えずに、傘を壊した事だけを広めたのだ。私は泣きながら訴える。
「でもね、先生、僕は傘でみんなに囲まれてしまったんだ」
「え?、それは本当なの?」
その時、先生は話を聞いてくれた。事細かに説明する。
「それは君のせいじゃないね、疑ってごめんなさい」
「囲ってごめんなさい」
亭男を除き、先生の前でみんな謝ってくれた。しかし、それは先生の前での話である。
[暴力的で泣き虫なよそ者は何かあるとすぐ先生に言いつける]その固定概念は学校中に広まった、全ては亭男の策略通りであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます