第1章 純白の少年 第12話 起業 上

「俺、鉄道模型の改造で企業しようと思う」

突然の宣言である

「働くんじゃなかったの?」

「就職できないし、他に生きるすべは無い。なぁに俺の腕は一流だ、沢山依頼も来るし大丈夫だ。

母さんも、社長夫人にしてやるぞ!!」

危険な賭けだ、しかし就職出来ない今食い扶持がなければ生きていけないのも事実だった。それほどまでに追い込まれていたのである。


「まずはホームページ作りだな!、やった事無いけど大丈夫!」

私は訝しんだがそこは天才、あっという間に音楽付きのホームページを作りあげた。


「次は融資だな、登録のついでに商工会議所に相談してみよう」

数日後…

「どうだった?」

「ダメだって、お金を借りるにはどこも信用が無いって」

「どうしよう、私の実家に借りる?」

「あそこは金持ってるからな、そうしよう」


母の実家は遠方の親戚がお金持ちだったとかで遺産が入っていたのだ。

実家に入ると王様席に母方の祖父が座っている、田舎の親戚一同を束ねる長のような人だ。厳しい事で有名だった、

その祖父が部屋を入ってすぐ私を見て言う

「よく来てくれたぁ!、そうだ、板チョコやろう」

「ありがとう!」

「おい!、〇〇の分もコーラ持ってこい」

「はいはい」

「せんべいもあるぞぉ」

「ありがとう、僕せんべい好き」

「そうかそうか、よく分かってるなぁ!!」

「川で鮎も釣ってきた、うんと持っていけぇ!」

「う、うん、ありがとう」

祖父は孫には甘いのだった

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