第1章 純白の少年 第04話 引っ越し上
これから仕事を追い出される人間に部屋を貸してくれる人が居るだろうか、もちろん否である。
低金利の住宅ローンも借りれず、利率の高い借金をして一軒家を建てるしか道は無かった。
母方の親戚に大工が居たのでその人を頼ったようだ
「これからは借りてる家じゃくて一軒家に住めるぞ!」
あの男は快活に言った、強がりなのか楽天家なのかは今でも分からない。
幸い前の会社も鬼ではなく引越しまで社宅に住ませてくれた、見学に行ったがそこはかなり奥まった梅林の真ん中に土地がある歪な場所だった。
「どうしてここにしたの?」
「普通より高い土地だったけど、俺の好きな電車が毎日見れるからさ!!」
「 ー 」
私と母は閉口した、あの男は自分の事しか見えていない、そもそもの価値観が違うのだ。
「そら、電車がやって来たぞ!!」
あの男が少年のように目を輝かせる
対称に私は電車など興味無い、ただ揺れる地面と大音量に気持ちの悪さを覚えただけだった。
私は引っ越すのがほとほと嫌になったが、見上げるような家があっという間に建っていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます