手の込んだ犯人の明かし方をする探偵3
とある洋館の一室、事件の容疑者たちがテーブルの席についている。
探偵「今から、皆さんに簡単なテストを受けてもらいます」
そう言って、探偵は答案用紙を配る。
男A「おいおい、事件の犯人を明かすんじゃないのか!?」
男B「何でテストなんて、やらされなきゃならないんだ!!」
探偵「ご安心ください。犯人はこのテストの結果で分かります」
男B「何だと?」
女C「まあ、楽しそうじゃない」
男A「ふん」
そうして皆は、問題に取り掛かった。
◆
探偵「…では、結果を発表します。
このテストで見事、100点満点を取った人がいます。それは…
警部!!」
探偵は、意外な人物を指さす。
警部「お、おい探偵くん、冗談じゃないぞ!!100点を取ったからって、犯人だなんて!?」
警部は、驚いて叫んだ。
探偵「おやおや、私は別に警部が犯人だなんて言ってませんよ?」
警部「は?」
探偵「これは、簡単な算数のテストです。100点取れても何もおかしくありません」
警部「いや、テスト結果で犯人が分かるって流れで、いきなり指さされたらびっくりするじゃん!!ていうか、何で私も受けさせられてるんだ!?」
怒る警部を無視し、探偵は続けた。
探偵「しかし、このテストで何と、0点だった人がいます。
…男Bさん!!」
指をさされた男Bは、びくりとした。
警部「じゃあ彼が…!?」
探偵「いえ、彼も犯人ではありません。
しかし、小学生レベルのテストで0点はさすがに引きました」
男B「くっ…!」
探偵「さあ、残るは2人です」
男A「……」
女C「……」
探偵「このテストは、1問1点…64点を取る確率はおよそ100分の1…
犯人は男Aさん、あなたです!!」
男A「ぐっ!!」
警部「…説明してくれるか」
探偵「簡単な事です。
私は最っ初っから、男Aさんが犯人だと決めつけていました。なので彼の点数を見て、それを言っただけです」
警部「いい加減にしなさいよ!!」
男B「オレ、恥かいただけじゃん!!」
【終】
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