手の込んだ犯人の明かし方をする探偵3

とある洋館の一室、事件の容疑者たちがテーブルの席についている。


探偵「今から、皆さんに簡単なテストを受けてもらいます」


そう言って、探偵は答案用紙を配る。


男A「おいおい、事件の犯人を明かすんじゃないのか!?」


男B「何でテストなんて、やらされなきゃならないんだ!!」


探偵「ご安心ください。犯人は


男B「何だと?」


女C「まあ、楽しそうじゃない」


男A「ふん」


そうして皆は、問題に取り掛かった。



探偵「…では、結果を発表します。

このテストで見事、100点満点を取った人がいます。それは…


警部!!」


探偵は、意外な人物を指さす。


警部「お、おい探偵くん、冗談じゃないぞ!!100点を取ったからって、犯人だなんて!?」


警部は、驚いて叫んだ。


探偵「おやおや、私は別に警部が犯人だなんて言ってませんよ?」

警部「は?」


探偵「これは、簡単な算数のテストです。100点取れても何もおかしくありません」


警部「いや、テスト結果で犯人が分かるって流れで、いきなり指さされたらびっくりするじゃん!!ていうか、何で私も受けさせられてるんだ!?」


怒る警部を無視し、探偵は続けた。


探偵「しかし、このテストで何と、0


…男Bさん!!」


指をさされた男Bは、びくりとした。


警部「じゃあ彼が…!?」


探偵「いえ、彼も犯人ではありません。

しかし、小学生レベルのテストで0点はさすがに引きました」


男B「くっ…!」


探偵「さあ、残るは2人です」


男A「……」


女C「……」


探偵「このテストは、1問1点…641001


犯人は男Aさん、あなたです!!」


男A「ぐっ!!」


警部「…説明してくれるか」


探偵「簡単な事です。

私は最っ初っから、男Aさんが犯人だと決めつけていました。なので彼の点数を見て、それを言っただけです」

警部「いい加減にしなさいよ!!」


男B「オレ、恥かいただけじゃん!!」


【終】

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