探偵は語り出す※

とある洋館の一室。

外で雨音が鳴り響く中、殺人事件の関係者たちが、一堂に集められていた。


男A「こんな所に呼び出して、一体、何の用だ!?私は忙しいんだ!!」


女B「そうよ!用件があるなら、手短にお願いするわ!!」


男C「どういう事なんです、刑事さん!?

どうして我々が、呼び出されたんですか!?」


警察関係者を代表し、警部が答える。


警部「落ち着いてください、皆さん。

実は探偵から、事件の真相が分かったので、関係者全員を集めるようにと…」


その時、部屋の扉が開き、探偵がゆっくりと入ってきた。


探偵「お集まりのようですね…」


そう言って、探偵は全員の前に立つ。


探偵「警察並びに、事件関係者の皆様…

本日は、お足元の悪い中、お集まりいただき誠にありがとうございます。


この度、皆様方にお話ししたい事というのは、他でもありません。


今回の一連の殺人事件、その真相…

そして、真犯人の正体が解明に至りましたので、ご報告させていただきたく、こうして、ご足労いただいた次第であります」


男A「……」


探偵「私も、探偵として捜査に協力させていただきましたが、ここまで解決に手間取ってしまった事…


事件関係者の皆様に、多大なご迷惑とご心配をおかけした事を、心よりお詫び申し上げます。


そして、捜査にご尽力いただいた警察の皆様にも、心より御礼を申し上げます」


警部「……」


探偵「思えば私が、探偵を志しましたのも、こうして一つでも多くの事件を解決したい。皆様の、お役に立ちたい。その一心で、ここまでやって参りました。


そして、今日こうして皆様方の前で、推理を披露できる事を、感慨深く思っている所であります」


女B「……」


探偵「ある優秀な警官は、こう言いました。


『私は、結果だけを求めてはいない。


結果だけを求めていると、人は近道をしたがるものだ。


大切なのは、真実に向かおうとする意志だと思っている。


それさえあれば、いつかは辿り着くだろう。向かっているわけだから』…と。


私の好きな言葉です。

私も、この言葉を胸に刻んでですね、事件解決に邁進して参りました」


男C「……」


探偵「そして、ついに…

こうして、犯人を捕まえる日がやってきたわけです。


あいにくの天気ではありますが、皆様方どうか、最後まで私の推理を聞いていただけましたら、幸いでございます。


それでは、ご準備はよろしいでしょうか。


…よろしい?


いきますよ…」


探偵は、ゴホンと咳払いをし、


探偵「たった一つの、真実見抜く…!


見た目は大人…!


頭脳は─」

男A「オイ!!!!!!」


とうとう、しびれを切らした男Aが、怒鳴り声を上げる。


男A「いい加減にしろ!!

前置きが長すぎんだろーが!!!!

こっちは忙しい中、来てやってるんだぞ!!!!」

警部「まあまあまあ…」


怒る男Aをなだめながら、警部は探偵に言った。


警部「探偵くん、結論から言いなさい」


探偵「はい。犯人は、男Aさんです」


男A「おう」


【終】

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