アリバイ

探偵と警部が事件捜査について話し合っていた。


警部「さあ、探偵くん。

この事件、まず何から始めよう?」


探偵「そうですね。


まず、容疑者のを調べましょう」


警部「アリバイ…


盗賊がお宝を隠した洞窟の扉を、

「開けゴマ!」って言って開ける…」


探偵「それは、です」


警部「アメリカのグランドキャニオンがある州は…」


探偵「です」


警部「子守歌を英語で?」


探偵「です」


警部「危ない!!」

そう言って、警部はその場に伏せる。


探偵「です。真面目にやりましょう」

警部「はい」


『アリバイ』

容疑者が事件があった時間、その場にいなかった事が証明できるか。それを確認するため、探偵たちは容疑者の男に話を聞きに行った。



男「昨日の20時から21時の間?

その時間なら、四丁目のバーで飲んでたよ!

マスターに確認してくれ!」



マスター「確かに。

そのお客様なら、20時ちょうどに来られて、

21時ちょうどに帰っていかれました」


警部「間違いありませんか?」


マスター「ええ。

私は時間にルーズでしてね。普段は時計など見もしないんですが、昨日はよく覚えています。何せ、来店されるなり──」


【男「いやー、まいったまいった!


今、20時ちょうどだ!


まいった、こりゃ!」】


マスター「…と言って、しばらく飲んでいたかと思うと」


【男「おっ、もう21時かあ!


時間たつの、はえーな!


まいったこりゃ!!


マスター!お勘定置いとくよ!


今、21時ちょうどね!!】


マスター「そう言って、帰っていきましたから」



話を聞き終え、探偵と警部は店を出た。


警部「……」


探偵「……」


警部「完璧なアリバイじゃないか!!!!」


探偵「ええ…!

ですが、犯人はあの男に間違いありません。


このアリバイトリック…

必ず僕が崩してみせます!!」


その後、無事アリバイが崩され、男は逮捕された。どんなトリックだったかは、読者のご想像にお任せする。


【終】

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