概要
同じ中学生棋士として生きてきた人間同士のプライドと矜持、そしてーーー。
盤上だけでなくそれを取り巻く人々の人間模様・心の裡に秘める奥悩に迫る!
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!コアな将棋ファンにはかなり刺さりますが軽く読める面白い物語
実在のトップ騎士が登場するフィクションですが、ああ、この棋士ならこう言いそう!こう考えそう!というのがすごく納得できる内容になっています。難しい技術論とかの話ではなく、ひとそれぞれの人間臭い内面の絡み合いが、重くなく描かれています。一時代を作った羽生世代が斜陽の年代に差し掛かり、新しいスーパースター藤井聡太が登場した将棋界。王者が現れ、そして若い力に倒され、新たな王者が後を継ぐ。そうやって歴史に残る対局と棋譜が生まれていく。もう一度言いますが、読んでいて重くありません。むしろコント寄りかもしれません。ですが流れる時間と棋士の思考はいつの時代でも共通ではないか、とやや達観気味に読んでもらえると…続きを読む
- ★★★ Excellent!!!将棋棋士の内面が繊細かつ流麗に描かれた傑作
天才・藤井聡太の快進撃が止まない激動の将棋界――憂う棋士たちの内面を繊細に描いた人間ドラマです。
棋士たちの顔や名前、将棋のことを知らなくても文章から彼らの人生の一端を垣間見える構成となっており、それなりに楽しめると思います。
主な登場人物は以下の四大棋士。
◆闘争心と矜持のオーラを燃やす『魔王』の異名をもつ渡辺明(わたなべ・あきら)名人・棋王(当時冠位)
◆詰みの終盤で脳内クラシックを優雅に流す、初手・薔薇で知られる『貴族』こと佐藤天彦(さとう・あまひこ)元名人。
◆数多くのタイトルを獲得し、永世名人の名を刻んだ第十八世永世名人・森内俊之(もりうち・としゆき)九段。
◆そして地…続きを読む - ★★★ Excellent!!!勝負の世界に生きる棋士たちを身近に感じつつも、やはり慄かざるを得ない。
青山 翠雲さまの2作目。
前作の『小説 『王将戦』』で読者である私たちは対局を特等席で眺めるギャラリー(傍観者)でした。しかし、続く本作で我々読者はギャラリー(傍観者)ではなく、プロ棋士たちの心にもっと近づくことになります。ネット市民たちの軽妙な発言を目にしつつも、プロ棋士たちとともに喜怒哀楽を味わい、彼らが普段口にできないその人間臭く、泥臭い欲をも知ることにもなります。その泥臭さを知ってもやはり思うのです。将棋という知性の限界の世界で競い合う棋士たちの凄さ。特に最終話、そこでその選択をするとは! 慄かざるを得ませんでした。
青山 翠雲さまは『将棋の世界』という他のWeb作家にはない強…続きを読む