怪談ジャンルの中でもとてもよい読後感のある作品です。作者さんの優しさ、お人好しなところに魅力を感じます。本や創作、人と繋がることについて考えさせられました。 司書の仕事は必要とする人へ本を届けるということ。そのために奮闘するお姉さんと、そこに一緒にいる不思議な西洋人形と、小学校の図書館を訪れる子供達とのほんわかしたストーリーです。 ノンフィクションでありながら不思議。これは優しい怪談です。 フフ……コワクナイヨ……(本当に)
図書室にいる不思議な人形……。 怖いような怖くないような、そんな存在。 「本」と「子どもたち」と「不思議なもの」全てへの愛が詰まった、とある司書さんの物語です。
最初は少し怖い話。ハラハラと読み進めつつ、学校の情景や子供たちの表情とともに空気が優しくなるのを感じました。大人になるということは誰しもが経験するけれど、その瞬間を切り取ったような、とても優しくてあたたかい物語でした。素敵な作品をありがとうございます!!
司書として派遣された先の小学校の図書館にあったのは、不思議でちょっと不気味にも見えるお人形。慣れてしまっている教頭先生は、あって当然のものとして紹介するけれど、怖がりさんは気になってしまう。学校の怪談であったり、メダカのお話であったり。このお話を読むと、小学生だった頃の思い出が蘇ってきて、私も同じことがあったなと懐かしく思いました。怖がりさんは、お人形との出会い、子供達とのやり取りを通じて、段々と変わっていきます。最後の一文には笑ってしまいましたが、不思議で優しいお話でした。
始まりは少し怖いお話かとドキドキしましたが、子供たちの笑顔や元気な様子が生き生きと書かれていて、目に浮かぶようで安心して読み進められました。クスッと笑えるエピソードもあり、楽しく拝見致しました。人との関わりも同じですが、自分の心の持ち方で随分と色んなことが変わってきますね。心の持ち方を見つめ直し、主人公が静かに強かに成長する所がとても良かったです。小学校中学年から高学年くらいの子供たちにも読んでもらいたいお話だと思いました。ちなみに私もソフト麺、大好きでした。
筆者さまの優しく繊細な人柄がそこかしこにフワっとただよっていて、とても心地よいお話でした。こなれたユーモアが文章のディティールと作品全体にもソフトなスパイスとして効いていて、特にラストではフフッと笑いが漏れました。短いテキストなのに馥郁とした行間まで感じられる、充実した読後感をあじわえました。心からのリスペクトをこめて…こぼねサワー拝
読みながら、小学生での在りし日のことを思い返していました。学校には怪談というものが大体存在しており、怖がりな私はよく耳を塞いでいたものです。そんな、懐かしかったあの日を思い返すことのできた小説でした。皆さんもきっとそういう思い出があることでしょう。本作を読んで思い返してみてください。ちょっと不思議、でもほっこりと心が暖まるお話。ぜひ読んで欲しい一作です。
怖がりな主人公が司書の仕事で出会う、すこし切ないお話。大人になって忘れてしまった思いを、そっと届けてもらったような。温かな読後感でした。ありがとうございます。
ちょっぴり不思議な怪談でありつつ、心にじーんとくるエッセイとして、すてきな作品です。長くないので、最後まで読まれることをおすすめします。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(856文字)
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