第7話

 結局昨晩はアキの後にフィンとラミともイチャコラしてしまった異世界転移2日目の朝。


 携帯電話の電源を切っていたので、入れ直して時間を確認する。時刻は5時半。地球と同じ速度で時間が過ぎているようで、窓からは丁度朝日が登り始めた所が見えた。地球の太陽より少し赤黒いか?気のせいかな?


 4人で3つのベットで寝るにはちょっと寝心地が悪い。なんせどうしてもベット同士の隙間が気になってしまう。まあ奴隷の癖に贅沢な悩みではある。


 何か本当に奴隷なのかわからないくらい最高なんだけど。右を見ても左を見ても美少女ばかり。むしろこの状況は、日本にいた頃よりも良い暮らしだよな。まあ良い暮らしという基準は人それぞれだから分からんけど。


 そんなことを考えているとフィンが目を開けて俺と目が合う。ニッコリ微笑んで俺に抱きついて来てエロいキスをしてくる。お互い裸だから俺のアレはソク反応してしまう。当然それに気付いたフィンはそれの上に乗ってそのまま…。お盛んなこってす。


 男のアレって枯れることはあるのだろうか?今のところそんな気配は全く無い!当然他の二人も起きてしまうのでそのまま致しました。ハイ。


 終わったあと少し思いにふけっていると扉が開いてミアがご飯だよーと呼びに来てくれた。そこには4人の裸体が並んでいるわけで…ノックはしましょうね?


 だが裸体には慣れているようで、何も無かったかのように戻って行った。そりゃあ娼館だもんな。こんなもんはザラだろうな。


 俺は一足先にキッチンの有る部屋に入ると、食事用の大テーブルには既にボスとソラ、ポムが座っていた。


「おう裕太。随分お盛んだったみたいじゃねーかよ!レベルもしっかりと上がっているじゃねーかよ!ガッハッハ。今日からしっかり稼げよ?」


「おはようユータ。アキが部屋に帰ってこなかったけど一緒だった?」


 ソラに聞かれたので素直に答える。


「あぁ。一緒に寝たぞ。もう起きてたからソロソロ来るはずだ」


「ユータ君はモテモテなのですよ。次はボクもですよ?」


「あぁ、いつでも来い。それよりもポム、ドワーフは鍛冶が得意な種族なんだろ?」


「そうなのですか?鍛冶は鍛冶師のジョブの人がなるんじないのです?」


「ガッハッハ!昨日とはまるで別人じゃねーか!ドワーフは力が強い種族だが、鍛冶は鍛冶師の仕事だな!ガッハッハ」


 そんなことを話していると遅れて3人が入って来たので食事にする。料理は基本味付けは塩のみのようだ。塩を掛けただけの何かの肉のステーキに肉と野菜を塩で炒めたものや、干し肉をお湯で戻しただけのスープ、スクランブルエッグ、パンは昨日食べたのと一緒かな?果汁100%のジュース。朝から肉尽くし。俺は余裕です。


「裕太。この金で装備を揃えて来い。皆もダンジョンにもぐる前に付き合ってやれ。あと皆気になってるだろうから裕太の価値を伝えておく。後でチョーカーに他言出来ないように制約しておくからな。昨日フィンが言いかけたみたいだしな」


 と言って俺に金貨3枚を渡しながらフィンをジロリと睨むボス。マジのときは結構迫力あるな。


「こいつの価値は金貨で3000枚だ。かなりの額だから他言無用だぞ?国にでも知られたら…わかるよな?」


 俺の価値を知らなかったパーティーメンバーとメイドのミアは衝撃過ぎて目を見開き、開いた口が微かに震えている。


 そして振り絞るようにか細い声でソラが声を発する。


「……3000枚……?そんな額聞いたことがない…返済額3万枚……ボス…マジで言っているのか…?」


「おい、皆!正気に戻れ!ソラ。大マジだからな?店はこれからもっと大きくなるぞ!ここいら一帯の土地を買い占めてやろうか?それにお前らの返済もすぐ終わっちまうんじゃないか?そしたらもっと一杯奴隷を保護してやらないとな!よかったよかった!ガッハッハ」


「は!そうか!ユータと一緒に居れば、稼ぎが増えるってことか!」


「ウチは気付いてたよ?フィンはアホな子?」


「くーー!まあいい!飯も食ったし早く準備してユータの装備揃えに行こうぜ!」


「そうだな。じゃあボス、この金はお借りしますね」


 そう言って一旦部屋に戻ってからフィンとラミの着替えを手伝ってあげる。


 二人共革の鎧を使っているようで、動きやすそう。フィンは腰にナイフを、ラミは小手を装着している。二人共頭には陣鉢を、足にはすね当てを着けている。


 なんかコスプレした女の子って感じで凄くカワイイ。そのままラミに手を引かれながら入り口で皆と合流して買い物へと繰り出す。


 なんか一番小さいポムが一番長い武器を持っている光景が可笑しく感じてしまう。


 それよりも昨日は全く町並みなど見る余裕がなかったのだが、良く見てみるとかなり賑わっているし、通りなどもキレイに清掃されている。すれ違う人には人間以外もかなりいる。それに首にチョーカーを着けていても誰も気にしていない。珍しくはないみたいだ。


「そういえばユータの服って変わってるよな?何処の国の服なんだ?それに帝都は初めてか?」


「あぁ、フィン。昨日連れてこられた時は周りを見る余裕も無かったからなぁ。こんなに栄えて居たのだな。建物も二階建てが主流みたいだな。それと俺の国ではこの服が一般的なんだ」


「ウチはその格好も好きだよ?これからはこの街がユータとウチの生活の拠点。ね?嬉しいでしょ?」


「あぁ、ラミ。嬉しいのかな?ただ、少しワクワクはしているな」


「ちょっとユータ!アタイとの拠点でもあるんだからな?奴隷から解放されたら一緒になろうな?」


「ユータはウチと暮らすからダメだよ?。ユータはウチから離れられないってさ。ね?」


「フィンもラミも分かってないわね。ユータさんはアタシの事で頭が一杯なのよ?」


「私から言わせてもらうとユータがゾッコンと言うより、フィンとラミとアキのほうがユータにメロメロなように見えるんだけどな」


 とソラが俺たちには聞こえるか聞こえないかくらいの声でポムと話している。


「ソラの言う通りなのですよ。ボクも一回抱かれてみるですよ!」


「ソラ。俺てきに気になってたことが有るんだけど聞いてもいいか?」


「ん?答えられることなら良いぞ?」


「いや、ソラってメチャクチャ美人じゃん?だからソラもエルフの血が入っているのかな?って。俺ってこっちの人を見た目で判断出来ないからさ」


「お、お、おい!からかうなよ?私がメチャクチャ美人だなんて!」


「いや、メチャクチャ美人だぞ?背も高いし特に黒髪が最高だよ。なんだか俺の故郷を思い出すんだ」


「ユータは帝国一番の女たらしね?天然だからなお怖いよ?ソラはダークエルフの血が入っているんだよ?」


「ラミの言うとおりだぞ!ユータは自重って言葉を知らなすぎる!」


「もう遅い。ソラも落ちたのですよ。残りはボクだけなのです。今夜が楽しみなのですよ」


「そっか。ラミとソラはエルフで超絶美人で、フィンは猫耳、アキは妹、ポムは不思議ちゃんで3人とも超絶カワイイ!こんな天国が有っていいのか?!」


 ポフン!とソラとポムの頭が爆発したような気がしたけど気のせいか?


「こりゃ駄目だ…あの二人ももう手遅れだな」


「ん。ベット特注じゃないとダメっぽい?」


 娼館から歩いて5分位の所に武器と防具の店が並んで建っていた。店の奥には鍛冶工房が併設されているようで2軒とも普通の家より大きい。こんな民家との近くに工房があったら近所からクレームが来そうだよな…。


「周りの民家は騒音で迷惑してるんだろうな…鍛治は火も使うしな」


「ん?なんで迷惑なんだ?鍛治の音なんか聞こえないだろう?魔法道具で遮断されているから騒音なんて全く無いぞ?私達の居る娼館だって民家の真ん中に建っているじゃないか」


「ソラの言う通りだよ?ユータの童貞発言だって娼館の中には響き渡っていたけど、外には漏れていないからね?。良かったね?」


「ラミの言う通りだぞ!だからもっと激しくしてもいいんだぞ?ギャハハ」


 こんなところにも魔法の恩恵があるんだな。こっちでは常識なんだろうな。と考えながらまずは武器を選ぶことにする。


「ユータさんは得意な武器は何なんですか?こっちにはロングソードからあっちはショートソード。ナイフはこっち。鎚に斧に槍は長さ、重さもバラバラだから選ぶの大変かも」


「俺は戦闘経験は無いからな。ナタで木の枝を払うことくらいしか振ったことないぞ。取り敢えずこのナイフが良いかな?獲物を捌くのには少し大きいかな?」


「そのナイフは戦闘用で、獲物を捌くのは無理だぞ!皮に穴開けちゃうかもしれないかな。そういうナイフはあっちのが良いぞ」


「あぁそうなのか。じゃあ戦闘用ではこのナイフを二本にしようかな」


「ユータさんは両手でナイフを使えるんですか?凄いです!」


「何言ってんだ、アキ?使った事は無いぞ?こういうのは雰囲気で何か持ってみたいだけだけど…」


「ん。それで良いと思うよ?ユータなら何でも出来るはずだよね?」


「そうなのか?まあよくわからんからこの二本で決まりだ」


 













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