第6話

 フィンとラミと部屋に戻るとフィンが仕切りのカーテンを取っ払い、ベットを3つくっつける。


 性に貪欲な16才の俺でも、流石に童貞を捨てた日に第3第4ラウンドはキツそうに思う。なのでベットに座ってイチャコラしながらも、色々と情報を集めることにする。


「フィン達って何人でダンジョンに行ってるの?さっき帰ってきたときは、もっと大勢いたよね?」


「ああ。他に3人いるぞ。アーチャーとウォリアーが2人。ラミは拳闘士で、剣闘士と鎚闘士だな。皆呼ぼうか?」


「あーどうしようか…明日から一緒に行動するなら会っては見たいけど。ウォリアーが多いんだね」


「アタイらのジョブは民族の一般戦闘ジョブだからな。珍しくは無いぜ。それじゃあ呼んでくるわ」


 そう言うとフィンは部屋を出ていった。


「それよりも皆んな戦闘職なんだね?回復役とかは居ないものなの?」


「ヒーラーは軍に召し抱えられるんだよ?だからウチらはポーションだよ?」


「あぁポーションがあるのか!それなら安心だね!それとウォリアーにも得意な武器がそれぞれ別なんだね。ラミが拳で殴ってるのが想像出来ないんだけど」


「ウチは殴るのも蹴るのも得意だよ?というか選ぶ武器はスキルとの相性が大事だからね?」


 と言って胸を張るラミ。戦う姿が想像できないよな…。


 そこに仲間を呼びに行っていたフィンが戻ってきた。


「今晩は新入りさん。私はアーチャーのソラ。このパーティーでは一応リーダーをやっているの」


「アタシはウォリアーのアキです。兔人族です。武器は剣です。スキルは瞬歩です」


「ボクはポムなのです。ドワーフの血が入っているです。鎚を使うウォリアー。スキルはフルスイングなのです」


「ヤッホー!サッキぶり!ミアだよ。ジョブはメイド。家事全般だよー」


 全員女性だったとは…娼館だから当然なのか?日中はダンジョンで夜は娼婦…皆スゲー働き者なんですが。


「皆のもの!聞いて驚け!こちらがアタイの良い人で、サバイバーのユータだ!何と価値は…モゴモゴモゴ」


 途中でラミに口を塞がれてモゴモゴしているフィン。イキナリ秘密を暴露しようとは畏れ入るぞ。


「フィンの良い人じゃないよ?ウチの良い人だよ?間違えないで?」


 と誤魔化している。両方の良い人のユータです。


「あーゴホン。ユータです。16才のレベル8でサバイバー、レベル3です。明日から一緒にダンジョンに行くんでよろしくっす」


「え?もうレベル8?さっきアタシと会ったときはレベル1って…あぁそういう事?良い人って。一回で二人をメロメロにしちゃった訳ね?遣り手ねユータは!」


「レベル1?どういう事?まあベットの配置を見るだけでも察しはつくかな。その二人に飽きたら私も買ってね♡」


 ソラは黒髪ロングでかなり大人びて見える。性格的にもしっかり者のお姉さんって感じだな。ソラもエルフの血が入っているのかも。


「フィンの良い人ってことはアタシの良い人って事ですよね?まったくもう、しょうがないんだから」


 兎人族のアキはなんというか…ピンクが似合いそうな妹キャラなんだけど、お姉ちゃんを放って置けないしっかり者タイプって感じだな。お尻にポンポンのような丸くカワイイ尻尾?が付いている。


「ボクはもう眠いのですよ…明日は頑張ろなのですよ」


 一番背が低いポムはボクっ娘不思議ちゃん!メガネ掛けていたらパーフェクトだったのにな…ドワーフは本当に小さいんだなぁ。


「おう、おやすみ!明日からよろしくっす」


「それよりもさっきフィンが言いかけていたユータの価値はいくらなの?」


 流石に聞き流してはくれなかった様だった。ソラの質問にラミが変わりに答えてくれる。


「ユータの価値は言うなとボスと約束したから言えないよ?」


「へぇ、さっきは言い掛けたくせに珍しいわね。ボスが秘密にするんだから相当だね!サバイバーなんてジョブも聞いたことないし、スキルも凄いんだろうね?」


 際どい質問をしてくるミアに、今度はフィンが答えてくれる。


「はっきし言ってユータのジョブとスキルは極秘だ!スマン!なんせ未知数なところが多すぎる。明日からはダンジョンでそこら辺を探りながら稼いでいくよ!それとアキ!ユータはアンタの良い人ではないからな?」


「えー?そうなの?かなりタイプだったのにな…」


 何ここ、天国なの?やっぱり俺、死んだのかな?


「俺も聞きたい事があるんだけど。皆ここに売られたのか?」


「ん?逆かな?私達は皆、ボスに買われたんだよ」


「ニアンスの違いかな?売られたから買われたって事であってる?」


「んー?アタシ達は戦争で捕虜にされて奴隷市場で売りに出されたのを、ココのボスが買い取ったって事です。誰にも買われないとアタシ達戦闘ジョブ持ちは戦争の最前線に送られちゃいますから。ボスに買ってもらえて良かったです。ボスは鑑定出来るから、戦闘出来る娘を集めて買っていたみたいですよ」


「そうそう。ワタシだけは家事要員で買われたんだけどね。夜に客を取るのは個人の自由だからね。そのためだけの娘も何人かいるんだよ?ちなみにワタシも1時間から買えるからね?」


 そう言ってウインクをしてくるミア。背は低いけど美人なミアに言われるとスゲーそそられる…


「でもミアは家事だけだと稼ぎにならないんだろ?夜、客を取っても返済に時間がかかるだろ?」


「ん?そんなことないよ?ジョブがジョブだから価値は低く設定されているからね。もう後2年位で終わるんじゃないかな?」


「あぁなるほど。ジョブとスキルで価値が変わるんだからそりゃあそうか。そういえば明日からボスに好きな物食って良いって言われてるけど本当に良いのかなぁ?」


「えー何それ?ずるいんですけど!アタシも食べたい!」


「あーさっきボスには言われたよ。ユータの飯はこれからはボスと一緒に食べる事になるって。フィンとラミも有料で食べて良いってさ」


「えー有料ってなんだよ!アタイはユータの良い人なんだぞ!何かの聞き間違いじゃないのか?」


「そうだそうだ!ウチもユータの良い人だよ?」


「そんなの知らないよ!ボスにそう言われただけだからね。文句が有るならボスに言ってよね!」


「くっ……わかったよ…幾らなんだ?」


「んー銅貨50枚位かな?ボスと相談してみるけどね」


「えー銅貨50枚ならアタシも食べたいんだですけどー!ボスに相談してみよーっと」


「私もだな。そのくらいなら美味しい食事のほうが良いな。面倒だからポムの分も頼んでおくか」


 そう言って皆部屋を出ていった。ラミ以外は…


「ウチは幾らでも良いよ?ユータが稼いでくれるから。ね?」


「ん?どういう事?」


「ユータはきっと凄く稼ぐよ?だから一緒にいるウチも稼ぐと言う事。ね?」


「おぉ、賢いな!そう考えると皆もそうじゃね?」


「ん。皆まだ気付いていないんだよ?ウチが賢すぎるだけだよ?」


 エヘヘと笑って胸を張るラミ。カワイイから取り敢えず抱きしめておく。ラミも俺にガッツリ抱きついてくる。これはイカン!抱き心地が最高すぎる。女の子ってこんなに最高だったのかよ!理性がぶっ飛び、押し倒そうと思った時にフィン達が帰ってきた。


「おいラミ!また抜け駆けして!ちょっと目を離すとすぐこれだ!…まあいいや、アタイら全員有料だけどユータと同じ食事をして良いって事になったぞ」


「ユータから抱きついて来たんだよ?。ウチの事が好きでしょうがないって。ね?」


「な…それはホントかユータ!アタイの事も好きって言ってくれたよな?」


「私は部屋に戻る。お邪魔様。ユータ、明日から宜しくね」


「んーワタシは…ユータさん!アタシも一晩買って下さいよ!」


「ちょ、アキ!アンタ急に何言ってるんだ?それにアタイらは今後、ユータからはお金は取らないぞ?愛だよ愛!わかるか?まあ子供じゃわからないか?ギャハハ」


「子供って、フィンと1つしか変わらないんですけど!ねえユータさん!お願い!ワタシもお金は要らないから!ね?」


 そんなことを言われましても…困った俺はフィンとラミを見る。二人は好きにして!と言っている様な目で見つめ返してくる。きっと言っているよね?!


「わかったよ。こっちへおいで」


「わーい!有難うございます!エヘヘ」


「ユータは浮気者だよ?」


 とボソッと呟くラミ。


「この腐れヤリチンヤロー!!」


 とブチギレたフィン。


 どうやら答え合わせは大間違いだったみたい!テヘペロ




 拝啓お母さん。僕は異世界でも元気にやっています。


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