第28話
「なんだこの肉はぁぁぁ!!とんでも無く旨いぞぉぉ〜〜!!胡椒最高〜!ニンニク最強〜〜!!」
「本当に美味しいんだよ?ユータ凄いね?こんなお肉食べたことないんだよ?」
「本当に頑張った甲斐があったのですよ!こんな美味しいお肉、ボク食べた事ないのですよ」
「ま、ま、まあ美味しいですわね。我が家の食卓にはいつも並んでいたかしら…オホホホ…」
まあ良いんだ、美味しいと言ってくれるなら。俺が居なくなったらアンネが新たな奴隷達と頑張るんだぞ?
今日の売り上げは、 牛が22万ガルド
ボアが23万ガルド
草で40万ガルド
皮が3万5千ガルド
合計88万5千ガルド
牛チームが2人でボアチームに張ってるんだから、単価の違いが大きいな。これを割る8人で11万ガルドちょい。俺の取り分は有り難いことに4人分となる。
それでも20億ガルドを44万で割ると4545日、12年半。十年の解放を待つ方が早いという…。まあコレに、さらに3人分増えると77万で7年ちょっと。アンネと大して変わらない。
後は胡椒と香草ニンニクがどれ程売れるのか。確か一週間後にはここ帝都では売り始めると言っていたからな。
全てのギルドにもレシピは届いているだろうから、大して時期はズレないと思う。何せ胡椒は実を取ってきて干すだけだからな。もいでも2時間で復活するダンジョンなら、量も確保し易いだろう。
1度買ってもらっても、すぐ次を買う商品ではないからなあ。あーでも調味料が少ないこの世界なら、スグに使い切ってくれるのかな?100グラムで2百ガルドで提携している商店へ卸される。銀貨2枚。これをまず10万瓶作ると言っていた。これは帝都だけの話で、他にも全ギルドで販売されるのだ。
これが全部売れたら100万ガルドが俺に!白金貨1枚だ。マジでヤバイ!この帝都だけでも5百万人が生活している。1人1個とは言わないまでも、一家に1個買ってもらえれば…いくらになるんだ?
「明日は俺、また植物ダンジョンに行きたいんだけど良い?トマトとオリーブを取って来たいんだけど」
折角旨い肉があるんだ。そろそろトマトソースとオリーブオイルを作りたい所だぜ。オリーブオイルなんて搾れば良いんじゃないのか?知らんけど。そしてオリーブオイルは保存出来るから、商人ギルドで登録しよう。
それにステーキといえば付け合わせも大事だ。やはり定番のジャガイモとニンジンに玉ねぎは必要だろう。
食卓の豊かさは、そのまま心の豊かさになる。と何時か誰かが言っていたんじゃ無かったっけな。知らんけど。
「それは構わないけど一人で行くの?何せ肉も取りに行きたいからな」
「植物ダンジョンは一人で平気だぜソラ?安全だし1層と3層と館を往復するだけだからな。レベルも上がっているから何往復も出来ると思うし」
話しは付いたので部屋に戻って風呂を入れる。そして魔石に身体強化、熱、水を付与していく。最近は魔石が余り気味だ。
牛の魔石に身体強化を付けてみると、何と効果時間が1分伸びた。合計21分の身体強化の魔石になったのだ。やはりボアの魔石より若干大きいとは思っていたのだが、やはり違った。ウルフの魔石では30秒ほど伸びた。
「そういえばさあ、前に8層の先はグレードが上がるって言ってたっけ?あれってどういう事なの?」
「あぁそれはな、一層のウサギが9層になると一回り大きいウサギになるんだ。強さも全然違うらしいぞ。ただ、モンスターから取れる素材の価値は格段に高くなる」
「当然肉の味もべら棒に旨くなるんだぜ!14層の牛の肉を喰ったらどうなっちまうんだろうな!ギャハハ」
大変興味深い!6層の牛でこの旨さだ!14層なんていったら、そりゃあもう……ヤバイな!11層のボアの肉だって全然違うんだろうさ!
「当然日帰りは無理だよな…行くとしたら泊まりか。それでも食ってみたいな…。ラミフィンアキが身体強化覚えたら行こうぜ?!」
「アタシはこのペースなら後5日だと思います。そうしたら身体強化を覚えますから絶対に行きましょうね!」
「アタイは後2週間ってところだぜ!まあスグだよスグ!」
「ウチは…1番遅い?ごめんねユータ?足引っ張っちやうね?」
「全然そんな事無いだろう。ラミを待ったって高々3週間位だろ?全然大した事ないって!」
「ちょっと!ワタクシはどうするのですか?7年半待ってくれますの?」
「ん?待たんぞ?というかさ〜俺思ったんだけど聞いてもらって良いか?」
「な、な、なんですの?ヤラシイ事で無ければ聞いて差し上げますわ?」
「あのね…俺ってどんな印象?まあ良いか。アンネさ、魔法覚えちゃえば?もう価値が上がったって、その分稼ぎやすくなった方が良くね?」
俺の提案にアンネは考え込んでいる。
「……まあ…確かにそうですわね…10年覚悟すれば何てことは無いでしょうしね…」
「まあ、ちゃんと返済して解放されるように努力はしろよ?それでもアンネの現在のジョブを考えてもダンジョンなんてそもそも勿体ないとは思うんだけどな。戦争の最前線でも余裕で生き残れるだろう?魔法も覚えたら無双状態だろう」
「嫌よ、戦争なんて!!我が家がどんな気持ちで……。ハァハァ…いえ、取り乱しましたわ。とりあえず魔法は覚えたいですわ。それと戦争には行きませんわ。これは我が家の名誉に掛けても!」
あーなんだか地雷を踏んでしまったようだ…しかも特大の。こんな好戦的な帝国で、まさかの戦争反対派だったのか?それで家を潰されてしまったのか…。これはなんだか可愛そうだな…。
「何かゴメンな…それじゃあやっぱり魔法を覚えてダンジョンで稼げる様になった方が良さそうだよな。特に身体強化」
「そうですわね…それなら魔法を教えて頂こうかしら。そうすればワタクシも貴方達について行ける様になるのよね?」
「あぁ、もちろんだ。むしろ上級ジョブのアンネに魔法ジョブが生えたら、もう誰も追いつけないと思うぞ。知らんけど。そういえば皆んな素早さは幾つくらいなの?ちな俺は235なんだけど」
皆んなに聞いたら1番高いのがフィンで261、1番遅いのでポムの192たった。
「素早さって瞬発力のことなのか?それとも常に早く歩けるとか?俺的には前者の気がするが」
「おそらく瞬発力で間違い無いとおもいます!アタシ達兎人族は本来は瞬発力が高い種族なんですけど、ウォリアーになっちゃったから力と丈夫さだけやたら伸びちゃって…瞬歩は兎人族なら比較的一般的なスキルで、瞬発力を爆発させる感じです!」
なるほどなるほど、爆発ね!感覚派だったのか!それよりも素早さが瞬発力って事は、素の足の速さにはそこまで差は出ないって事か?それなら皆んなで揃ってダンジョンに潜って行けるな。まあ、まずはアンネの魔法使いを目覚めさせてみるかな。
「アンネ、コッチへ来て。そして俺の手を握って。俺の魔力をアンネに流し込むからね」
「て、手を握れですって?それって婚約するって事ですの?いや、確かに貴方は魅力的な男性だと思いますが、、、イヤだ…まだ早いですわ…ッポ」
「あ〜分かった分かった、ストップストップ!手を繋ぐだけでこれなの?マジで?貴族メンドクセーな!」
結局俺とアンネの間にソラとミアに入ってもらい皆で手を繋ぐ。本当に出来るか分からんけどやってみよう。
イメージはソラとミアの手から手へ抜けて、アンネの隅々に俺の魔力が行き渡る様に魔力を操作していく。
「何か身体に入ってきますわ!熱い!とても熱いわ!ヘンニナッちゃう!ああぁぁぁ〜」
何故かプッシャーという音と共に、そのまま絶頂するお嬢様。顔は興奮で真っ赤になり、目もトロンとして潤んでいる。それに匂いがなんだか…。
これはもしやおぼこさんでしたか?そうだよな…手を繋ぐだけで婚約とか言っちゃうくらいだもんな。これは完全にアレだな。
「どうだアンネ。内から湧き出す何かを感じたか?」
「ハァハァ…凄かったですわユータ様。ちゃんと責任を取って下さいませ…ッポ」
ん〜?何か色々と違っている気がするが…俺はぽ〜っとしているアンネから認識阻害の指輪を外して、俺手作り鑑定魔石でアンネを覗いてみる。
アンネリーナ・クリストファー・ミッチェル
15才 レベル16
ジョブ ウィッチナイト 1
スキル 魔法剣
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