第29話
流石皇帝陛下の血族だぜ。名前が長いもんな。そして俺よりも年下ときた。
ジョブはウィッチナイトとか、魔女騎士では無いのがナイスだよね!
スキルが魔法剣か、これこそ魔法を武器に纏わせるスキルなのではないのか?
とりあえずプッシャーしてしまったアンネをお風呂に入れてあげるようにソラにお願いする。先に湯を張っておいてよかったわ。こんな事になるなんて思わないもんな。
「ユータ?ちゃんとアンネの責任取るんだよ?女のコにあんな事しちゃって、駄目なんだよ?」
「でもマジで凄かったぜ!あんなに絶頂しちまうなんてな!今度アタイにもやってくれよな!ギャハハ」
なんだかいつの間にか俺が悪い事になっているんだが…俺が何をしたって言うんだ?げんに間に入っていたソラとミアは平気だったであろうよ…それに魔法使いのジョブが欲しいって言ったのはアンネだぞ?とは言えない…
「あ〜その、なんだ…ソラとミアは平気だっただろ?何が違ったんだ?」
「ん〜、魔法の耐性とかですかね?まだ魔法使いに目覚めていないのに魔力を流したからとかですか?」
「それだアキ!!間違いないわ!ソラとミアは魔法使いが生えて居たから平気だったんだな。ということはラミとアキとフィンもやばそうじゃね?」
「それは楽しみだぜ!魔法の練習してこなくてよかったぜ!これで最高の絶頂を迎えることが出来るな!ギャハハ」
ラミとアキも嬉しそうにウンウン頷いている。
「く〜残念…そんな事だったらワタシも待っておくんだったよ…」
「そしたらちょっと実験してみようか?ミアの中にまた魔力を流してやろうか?何せ魔法はイメージだからな!」
そう言ってミアの両手を取り、俺の魔力をじっくりねっとりミアの隅々まで流していく。特に下腹部には念入りに!温度も人肌より少し温かめにする。
「ひぃぃぃ〜!!凄い!ヤバイ!ユータが入ってくる!熱い!凄いよ〜!もうダメ〜!!あぁぁぁ〜」
ミアもプッシャーと音を立てて果てた。完膚無きまで果てている。
その後はソラとポムもね。まあそんなところです。
風呂から上がったアンネをボスのもとに連れて行く。価値の変化を見てもらわないといけないからね。
「おい、アンネ!いや、もう驚かない事にしたんだ。どうせ裕太の仕業だろ?どうせ価値を見ろってことだろ?」
もう何も言わなくても分かってくれる。流石はボスだぜ!
「価値は5千万ガルドだ。何だか裕太を見てるからビックリはしなくなったな…」
お礼を言ってアンネを連れて部屋を出る。
「何かゴメンな…魔法耐性のない人に魔力を流すとあんな事になるなんて知らなかったんだ…」
「いえ、良いのですわアナタ。今夜は初夜ですわね…優しくして下さいませ。ワタクシ、初めてですのよ…」
「ちょ、ちょっと待ってよ!なんで結婚したことになってるの?ちゃんと手も握らなかったのに!」
「あら、あんな事しておいて責任を取らないおつもり?それは良くないのではないかしら?ただ、皆さんの前では恥ずかしいわ…出来ればこっちの部屋で…」
俺は諦めたよ…結婚云々は別にして、男として責任を取れと言うなら取ってやろうじゃないか!俺はボスからヤリ部屋の鍵を借りてアンネと一緒に入ることにした。この部屋は防音になっているので誰にも気付かれる事はない。
21日目朝、パッと目が覚める。
この部屋は小さな木の窓しか無いのだが、丁度空が白み始める所だった。隣にはアンネが寝ている。昨夜は本当大変だった。初めての娘はこんなに暴れるのかと思うぐらいに大暴れだった。
それでもとても綺麗な寝顔だ。流石はハイブリッドで、本当ぶっちぎりで美人だ。俺はまだ寝ているアンネに覆いかぶさりもう1戦。体温が高くてとても気持ちが良い。
「これでワタクシも皆さんと同じくアナタの妻になってしまったのね?でもとても幸せな気分ですわ。これが真のレディになったということなのですね」
「まあ、皆んな妻では無いけどね。俺の彼女達だよ。アンネもその一人になってしまったね。今更だけど本当に良かったの?」
「ホント今更ね。ちゃんと覚悟を決めなさいませ!ワタクシが良かったと言っているのですから」
そう言ってキスをしてくるアンネ。そんなことしたら…。ほらね…。相手一人とこんなにマッタリじっくり愛し合うのは初めてだ。実は俺も素人童貞だった分けだしな。
暫くイチャイチャしてから食堂へと移動する。ちょっと早かったのか、まだミアが準備している所だった。
「あら、ユータおはよう。昨夜はアンネと一緒だった?ちゃんと大事にしてあげるのよ?王家の血を引いてる訳だしね」
「血なんて関係ないだろ?俺にとってはミアも大事な彼女だぞ?」
後ろからハグをすると、嬉しそうに「まったく…ほんとにタラシなんだから」と言われてしまった。
俺はミアの横で昨日の肉を乾燥ニンニクと塩コショウをまぶしてフライパンで焼く。
「そういえば今度持ち運びやすい食べ物をミアに作ってもらわないとな。折角のスキルなんだからな。どんなのが良いんだろうな?」
ミアの新たなスキル「魔法食」は、ミアが魔力を込めて作ると身体強化とは別で、更に強化されるというとんでもスキルだったのだ。この世界は小麦粉はふんだんに有るのでお菓子だろうか。
そんな事を話しながら肉を焼いていると、とんでも無く良い匂いが部屋中に充満してくる。マジヤバイなこの匂いは…。オリーブオイル作ったら、ガーリックチップを作ってステーキにしたいな。楽しみ過ぎるぜ!
丁度今日は植物ダンジョンへ行く日なので、テンションがドンドン上がっていくぜ。
どうやら館中に匂いが行き渡ってしまったらしく、ボスも含めて他のメンバーも来てしまった。皆んなおはよう!
「ユータ、昨日はアンネと寝たのか?それにしてもめちゃくちゃ良い匂いだぜ!ヤバイな!早く食べさせてくれよ!」
「さすがユータだね?アンネも落ちたのね?ホントにとても美味しそうな匂いなんだよ?お腹が鳴っちゃうよ?」
「おい、裕太!この匂いはヤバイだろう!早く準備してくれよ!」
皆んな待ち切れないようだな。慌てるんじゃないよ。好きなだけ食べさせてあげようじゃないか!
俺は飯を食ったあと、門まで皆んなと一緒に移動する。何か俺ら1団がニンニク臭い気がするんだけど…気のせいではないな…確実に臭い。まあ気にしたら負けだ。
俺は一人植物ダンジョンに入って行く。一層でトマト、そして館、3層でオリーブ、そして館。この流れを午前中だけで2回繰り返した。3層の胡椒の所には、商人ギルドの職員が待機していた。多分ローテーションで湧き待ちしているのだ。そして湧いたらもいで帰るのだろう。
トマトはもう十分取ったと思う。取りすぎても腐ってしまうのでこの当たりでオリーブだけを狙いに3層を目指す。
3層でギルド職員とすれ違った時に挨拶された。どうやら俺が胡椒と香草ニンニクのプレゼンをしたときに試食をしていたらしい。
「多分ですけど私の経験上、この胡椒の調味料は爆発的に売れると思いますよ!莫大な利益が出るでしょうね。それと5層に行くならボスからとても甘い果実が極稀に出るときがありますから食べてみて下さい」
そう言って別れた。胡椒に関しては予想通りだ。ただ5パーセントの取り分の俺にどれ程入ってくるのかな。単価もそれ程高くはないだろうしな。
まあ期待はしておこう。それよりもどうやら5層にはボスが居るらしい。折角1人だしフットワーク軽く、ちょっと興味が出てしまったので覗きに行くことにする。
3層のジャングルを通り抜けて、4層へと降りていく。4層は丁度良い気温で、木々には色とりどりの果物がなっている。
匂いもとても良く甘熟である。ミカンにリンゴ、モモ、柿、マンゴー、その他色々。そして低木にはブドウが絡まっている。
そう言えばこっちにはお酒って見たこと無いけど有るのかな?ワインで肉を煮込んだら柔らかくなるし最高だよね?ワインなんて踏めば出来るんでしょ?
多分このブドウだと赤ワインができると思う。ただ、既にワインが有るならわざわざ適当な知識で作るまでもないと思う。後で帰ったら聞いてみよう。今回は摘まむだけにしておく。
その後5層へと降りていく。5層は巨大な湖になっていて階段から真っ直ぐに一本の道が通っている。
その先に大きな丸いステージがあり、真ん中に木が一本植わっている。俺は近づいてソナーで周囲を調べるが特に木以外の生命反応は無い。どこからどう見てもボスだよな。
ステージに近づいても特に反応は無い。
ん〜、今日は止めておこう!とはならないよな…
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