梅香、燦燦と珠のように香る

後宮が舞台ときいてドロドロした女の争いが延々と続くのかなと思っていましたがそんなことはなく、主人公燦珠の圧倒的な光にドロドロした空気も吹き飛んでしまいました。長引かせるならもっと燦珠の苦労パート、成長パートのような部分が多く挟まったかもしれませんがこの話数だからこそスッキリ爽快とした読後感だったと思います。読んでてくどいと感じることなくさくさくと、それでいてドキドキしながら物語を堪能することができました。また燦珠だけでなく魅力的なサブキャラたちも作品を彩ります。いや、もはや誰もが主人公と言っても良いでしょう。誰か一人の物語ではない、全ての登場人物の物語です。駆け足がちになりがちな最後もゆったりとペースを崩さない語りになっていたのも好感が持てました。

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