絶佳、ここに極まれり。

――さあて、読了してしばらく経ったのでようやくレビューを書かせていただくべく参上いたしましたが。

氏の作品が優れている事は、僕が語るまでもなく既に当然の事として。
筆力、全体構成力、キャラクターの造形と配置バランス、何もかもが完璧です。
徹頭徹尾、快感と高揚の内に終幕まで導かれるという、恐ろしい程の完成度の作品です。最早いう事なし。


物語にもキャラクターにも存分沼らせていただいた。


なので、ここからは蛇足です。


本作の更に強いのは、商品化した先をきっちりと見据えている、または見据えさせる事ができるという部分にあると思います。
描かれているのは絵空事や夢ではありません。確実にビジネスモデルとして成功するだろうという確信を与えるビジョンがある。
かなりの野心作であると僕は見ました。
そしてこれを拾わないのは愚であるとも。
書籍化、コミカライズ、この先は舞台化を経て、大陸本土でのドラマ化というのもあり得る。そういう想像を掻き立ててくる。

いや、悔しい限りだ。上手すぎる。

この先僕にできる事といったら、ありったけの貯金をはたいて追いかけるくらいのことだろう。


星晶。きみのためなら財政破綻してもいい。

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