中華・後宮・演劇。どの要素もこってり濃密でゴージャスな読み心地です!

主人公は演劇が好きな明るい少女。いろんなトラブルにあっても、演劇への情熱に支えられてパワフルに乗り切っていきます。昔、「ガラスの仮面」を読みながら手に汗握って北島マヤを応援していた気持ちを思い出しました。後宮の女だけの劇団で共に歩む少女たちは、斉木久美子さんの「かげきしょうじょ!!」の少女たちと同じく魅力的です! 
この作品が凄いのは演者だけではなく、その舞台もです。
豪華絢爛な中華世界の描写が詳細で、とてもリアリティがあって本当にタイムスリップしたかのような気持ちになりました。
そして演劇を志す主人公の外側で繰り広げられる後宮ならではの陰謀劇。次から次へとトラブルが起こりドキドキハラハラしますが、それが終盤でひとまとまりの全容が明らかとなり「そういうことかー!」と納得がいってスッキリ! 作者様は、構成をしっかり練られたうえで執筆にとりかかられたのだと感じ入ります。
8月1日執筆再開というお知らせで改めて読み始めたのですが、この4日で第一部を一気読みしてしまいましたw
グイグイ引き込まれる中華風ファンタジー。夏休みの読書にぜひ!

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