ゆずこしょー

 私のペンネームは、「一初いちはつ」が花の名前であり、「ゆずこ」は柚子胡椒ゆずこしょう由来ゆらいである。そんな打ち明け話のエピソードに、飯田太朗いいだたろうさんと四谷軒よつやけんさんのお二方が、天才的な考察こうさつコメントを寄せてくださった。あまりにも素晴らしい推理すいりだったので、引用いんようする形で紹介させていただこうと思う。


 飯田太朗さん:

「一初ゆずこ」の「一」を伸ばし棒に、「初」を「しょ」と読んで「ゆずこ」だけそのままで、逆さから読むと「ゆずこ初一」=「ゆずこしょー」=「ゆずこしょう」だなーってずっと思ってました(笑)


 四谷軒さん:

 一初ゆずこ→ゆずこ・一初→ゆずこ・初・一→ゆずこ・しょ・ー→ゆずこしょー→柚子胡椒

 ……という、アナグラム(?)かと思いました


 二件のシンクロした推理を拝読はいどくしたとき、目からうろこがボロボロと落ちた。確かに、奇跡きせきのアナグラムが成立している。この答えが正解ではないことが不思議なくらいに、すとんと納得してしまった。しかも、推理の流れだけでなく、考察を私に伝えてくださったタイミングまでほぼ同じ、というミラクルまで起きている。隠された意味をひもといていく言葉の羅列られつも、なんだかモールス信号チックで格好いい。

 名字に花の名をかんしていても、私は「柚子胡椒ゆずこしょう」であるということが証明された。イチハツの花にめぐり会えたのは、運命だったのかもしれない。

 そういえば、ゆずの村として名をせている高知県の馬路村うまじむらで食べた料理が、とても美味おいしかったことを思い出した。冬季限定で発売される「ゆずこしょう鍋のもと」も絶品ぜっぴんで、白菜や豚肉、豆腐といった定番の具材だけでなく、ニラとスライスしたニンニクを加えて、しめは卵雑炊ぞうすいにした。辛いものを楽しめる方には、ぜひおすすめしたい冬のメニューだ。

 ここまで書いたところで懐かしくなり、早速Webで確認したところ、現在は取り扱っていない商品だとわかり、しゅん……と肩を落とした。しかし、代わりに「ゆず鍋すーぷ しお」という新商品を見つけたことで、落ちたテンションがV字回復した。とても美味しそう。きっとキノコ類も合うのだろうな。

 話が食の方向へ脱線だっせんしたが、飯田太朗さんはミステリー小説で、四谷軒さんは歴史小説で、それぞれご活躍されている。物語に重厚じゅうこうさを与えるために、専門的な知識が必要になるからこそ、着眼点が鋭いのだろうな、と改めて感じ入った。

 私は今、手元でホラミスの長編をこつこつと準備中なのだけれど、読んでくださる方々の何人かは、犯人の正体に爆速ばくそくで気づいてしまうかもしれない。そんな予感にドキドキしながら、謎の出題者として、ベストを尽くそうと思っている。

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