離婚してる

「結局、結婚できても…。数年後には、離婚してる。それが、お前の運命」


「そんな」


「お前に落ち度はないような気がする。でも、彼女はお前がつまらないんだよ。ここから、仮に戻れたとして…。本気で、彼女にプロポーズするのか?やめた方がいいんじゃないか?」


「大きなお世話だ!」


「確かに、そうだね」


「そんなタブレットになんかわかるわけないだろ!」


「確かに、そうかもね」


神は、チーズを食べた。


「俺が、あの男より劣ってるのは収入か?」


「ハエになった時に見た光景を言ってる?」


「そうだ」


「そうだねー。全部じゃない?」


「全部?」


「独りよがりの愛だったんじゃない?君は、ずっと…。だから、彼女は嫌だったんだよ。彼女が、これを望んだ?」


神は、婚約指輪を渡してきた。


「リムジンでバラの花束で、彼女は指輪何かより過程が大事だって話してたよね!いつだって…」


「そんなの、すぐに忘れちまうだろ」


「そうかな?思い出は、いつだって引き出しみたいに取り出せたりするもんだろ?強烈な思い出ほど…。プロポーズなんて、忘れるわけないよ!指輪より、彼女はプロポーズのシチュエーションが大事だったんだよ!確かに、25万円の給料で三ヶ月分の指輪を買った事は凄い事だよ!でも、家でプロポーズされるのを彼女は望んだのかな?20万の指輪でも、外でプロポーズされたら違ったんじゃないのかな?まあ、プロポーズすら出来てないけどね」


「説教されに死んだんじゃないから」


「確かに、そうだね」


神は、そう言って笑った。


確かに、こいつの言う通りだった。


妙伊子は、シチュエーションをたくさんあげてくれていた。


俺は、マンションで手作りのイタリア料理を仕込んで馬鹿だった。


もし、あの日外にご飯を食べに行ってたら、事故に合わずにすんだのかなー。


「神さん、失礼します」


「何?」


「なかなか、受付が進まなくて、人手が足りないのです。回してもらえませんか?」


「人手不足は、現世と似てるね!また、ロボットを注文してみようか?地獄に…」


「お願いします」


「ただ、ちゃんと働けるのがくるか微妙だけどね」


「どれくらい、かかりますか?」


「さあー。前に注文したやつは一年かかったからね」


「それは、困ります」


その言葉に、神は俺をジッーと見た


「何だよ」


「受付手伝ってくれない?」


「何か良いことあんのかよ」


「人チケット一枚でどうかな?」


「人チケット?何だよ、それ。そんなしょうもないもんいらねーし」


「いらないんだ!君に戻れるのに」


「えっ?」


俺は、その言葉に食いついた。



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