天ちゃん

「はぁー。マジで!暇人じゃないんだけど」


「誰?」


めちゃくちゃ、ギャルが現れた。


「天ちゃん、いらっしゃい」


「天ちゃん?」


「うち、天使なんだけど!」


「天使?」


真っ白で清楚なイメージをしていた。


真っ黒だ!明らかに真っ黒だ


「神ちゃん、なんなの?暇じゃないんだけど」 


「あー、この子のさ!体探してよって話」


「えっ?!何、それホラー?マジで、怖いんだけど」


両肩を擦ってる。


「違う、違う。死んでないってしつこいんだよ」


「はぁ?死んでるに決まってんじゃん!何で、ここにきてんだよ!死んでなかったらいるわけないじゃん」


「それは、言ったんだよ!言ったけど、信じないんだよ!だから、体!まあ、骨かな!見たら信じてくれるからさ。お願いだよ」


「えー、マジダルイんだけど」


「合コンするから!」


「スペックは?」


「えっと、上級天使にするから」


「えー、例えば?」


「これとか、これとか」


「うんうん、それと」


「焼き肉パーティーするから」


「肉なんかこないじゃん!半年に一回しか」


「取り寄せるから、ほら、これね」


「それと…」


「いい酒を仕入れるから、これでどう?」


天ちゃんは、顎に手を当てて悩んでいる。


「どうしようかなー」


「頼むよ!天ちゃん」


まるで、姉にお願い事をする弟だ!


「向こう行くの大変なんだよねぇー」


「皐月のliveに行っていいから!ほら、人チケあげるから」


天ちゃんは、明らかに目の色が変わった


本気まじで言ってる?」


「うんうん」


「じゃあ、やってあげる。服、仕立ててもらっていい?」


「いいよ、いいよ」


「じゃあ!交渉成立ね。んじゃ、また」


そう言って、天ちゃんはいなくなった。


「はぁー。大変だわ!お前のせいで」


神は、ギロリと俺を睨んだ。


「何で、そんなにプロポーズしたいの?」


チーズを食べながら、言ってる。


「妙伊子との可愛い赤ちゃんと幸せな家庭が作りたいんだよ」 


「へー」 


「出来ないって思ってんのか?」


「別に」


「結婚してても幸せになれないって思ってんだろ?」


「何も言ってないって」


「神だから、何でもわかってんだろ?」


神は、俺をチラっと見た。


「お前の営みは退屈らしい」


「はあ?」


「お前のキスは、下手らしい」


「はあ?」


「何よりお前は収入が低い」


「何で知ってんだよ」


「あー、これな」


そう言って、タブレットを見せてきた。


「天使っていっぱいいるわけじゃないんだよ!ここでは、天ちゃんと数人しかいないんだけど…別のがいるんだ!それが、話を聞いてきて纏めてくれる。その情報だよ」


そう言って、神は笑ってタブレットを操作する。




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