体を探して

パチンって、真っ暗闇になって…。


「3日経った?」


「なわけないよ」


神の部屋にいた。


「さっきの子を早く生まれ変わらせてあげようか?」


「さっき?」


「男の子」


「太一君?」


「そう」


「人間にって事?」


「そうだ!」


「両親の元に行けるの?」


「いける」


「じゃあ、そうしてやってよ」


「そうか!じゃあ、もう少し。時間がかかる」


「俺?」


「枠が少ないんだよ!悪いね」


そう言って、神はタブレットを取り出していた。


「何で少ないんだ」


「少子化だよ」


「でも、俺!赤ちゃんに戻るつもりないんだけど」


神は、驚いた顔をしている。


「何に戻るつもりなんだ!」


「早見翔だよ」


「はあ?」


「はあって何だよ」


「死んだのに戻れるわけないだろ?」


「ふざけんなよ!人間にするっつっただろーが」


「それは、お前が愛した女の子供にだな!」


「子供?子供になんかなりたくねーよ。どっかの知らないやつとの赤ちゃんになんかなりたくねーわ」


「お前の体なんかあるわけないだろうが」


「はあ?探せよ!作り直せよ」


「お前、そんな事出来るわけないに決まってるだろうが!」


「赤ちゃんはなしだからな」


神は、タブレットに【赤ちゃんはなし】だと入力している。


「はぁー。わがまま言わないでくれよ」


そう言いながら、ため息をついてる。


「じゃあ、俺の体探せよ」


「だから、あるわけないから」


「何で、勝手に決めんだよ!探してないだろーがよ」


「探さなくてもわかるよ!お前の魂がここにいる。それが、答えだ」


「普通、葬式とか見れるだろ?」


「もう、とっくに終わってる」


「調べろよ!調べてくれよ」


俺は、神をゆさゆさ揺さぶりつづけた!


「やめろ!やめろ!わかったから、揺さぶるな」


「体見つかったら、死んだって信じてやる」


「わかったよ、めんどくさいな」


そう言いながら、神は誰かに電話をかける。


スピーカーにしてる。


プルルルー


『はい』


「あのさー。体探すのって誰に頼めばいいかな?」


『えっ?何?ホラーですか?』


「いやー。違う、違う。死んだって信じないやつがいてさ」


『体探すとかなに?やった事ないけど』


「だから、誰に言えばいいかなーって」


『そもそも、受付に来た時点で、体失くしてますよね』


「言っても信じてくれないんだよー」


神は、頭をボリボリ書いてる。


『じゃあ、五分後!天ちゃんに行ってもらいますね』


「あー、わかった。頼んでみる」


『それから、閻魔さんが』


「何?」


『田所誠二は、ただのサラリーマンだから返品で田所清治だよと言ってました。メッセしたんで、確認して下さい』


「了解」


そう言って、電話を切っていた。



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