よかったの?
「あーあ、よかったの?」
「ありがとう、天ちゃん」
「別に、いいけどさ!プロポーズする為に、頑張ってきたんじゃん!勿体ないね」
「だよなー。でも、触られんのも嫌悪なんだよ。だから、無理だわ」
「そっか!じゃあ、しゃーないね」
「うん」
「じゃあ、うちは皐月を追いかけてもどるからバイバイ」
「バイバイ」
それから、一ヶ月後、俺は退院した。
「翔、お帰り」
「ただいま」
両親の家に戻ってきた。
暫く、仕事もせずにプー太郎だな!
ピンポーン
「はーい」
母親がインターホンを出て、警察を連れてきた。
「早見翔さんですね」
「はい」
「早見さんを跳ねた車が捕まりました。」
「本当ですか!」
「人違いだったらしいです。あのマンションの佐伯をやろうとしていたらしくて…。間違って早見さんを跳ねた事を認めました」
「佐伯さんですか…」
あー!!!
「その服かっこいいね!どこで、買ったの?」
「これは、…ですよ!」
「普段から、着てる服はそこ?」
「はい」
「ありがとう」
あいつだ!
いきなり服を聞いてきて、似たような格好をしていた。
警察は、一通り話をして帰っていった。
「よかったわね!逮捕されて」
「うん」
復讐しようと思っていたけど、母さんの顔を見ていたら出来そうになかった。
1日、1日、を大事に過ごそう。
母さんと父さんと過ごす日を大切にしよう
そう決めた!
次の日、俺は婚約指輪を売却した。
50万しかならなかった。
そのお金で、母さんにネックレスと父さんに腕時計を買った。
家に帰って、机の引き出しにしまった。
手紙を書いた!
29年間の俺の人生の全てを書いた。
母さんと父さんには、仲良くいて欲しいんだ。
そして、お嫁に行った冴子にも手紙を書いた。
可愛いイヤリングを見つけたから、買った。
俺と4つ違いだ!
俺のかわりに、冴子が母さんと父さんを幸せにして欲しい。
支えてあげて欲しい。
もっと、大切に生きていたらよかった。
もっと、両親を大切にすればよかった。
いつ死ぬかなんてわからないんだ。
俺は、たまたま神がチケットをくれただけだ。
本当なら、あのまま死んでいた。
戻ってきたから、知れた事がたくさんあった。
妙伊子にプロポーズする!その強い意志がなかったら、ここにはいなかった。
だから、俺は妙伊子を責めるつもりもない。
妙伊子がいたから、手に入れたチケットだったんだ。
「冴子が、母親かー」
「来年の今頃には、おじさんだよ」
「だなー」
週末、冴子がやってきた。
時間は、無限にあるわけじゃないから…。
もう少しで、終わってしまう。
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