エピローグ

「母さん、ほら、リアルタイムで見なきゃ」


「はいはい!本当、この人翔にソックリよね」


両親は、動画を見つめている。


「皆さん、こんばんは!かっくんです。」


「かみです!」


「今日は、作ってみました動画にしまーす」


動画を見ている両親を俺と神は、見つめていた。


『よかったな』


『ありがとう』


一年が経って、天国に戻った俺は、神と一緒に天チャンネルを開設した。


神は、わざと妹のスマホに細工して発見させた。


毎日泣いていた母親の涙が止まった瞬間を俺は見ていた。


毎日、夜の20時にリアルタイム投稿をし続ける。


父さんと母さんにとって、それは生き甲斐になった。


『5000回しか再生されてないからチケットはなしだね』


『わかってるよ』


50億なんて、数字はいくわけがなかった。


でも、いいんだ!


俺は、幸せにしたい二人を幸せに出来てるから…。


『帰ろうか?』


『うん』


天国に帰ると、神は俺にワインを注いでくれた。


「マジで!最悪なんだけどー。知ってる?また、白井さんがねー」


天ちゃんがやってきて、愚痴を言った。


「神さん、ロボット使い物になりませんよ。ハイテクなものを地獄 あちらに頼むのはやめませんか?」


玉野君は、怒っていた。


「あんねー、ロボットは無理なの、わかるやろが!ああ?」


鬼さん達も、よく怒っていた。


俺は、ここの人達が大好きだった。


成仏の道に行かないのかって?


俺は、行くつもりはないよ!


人生は、それなりに楽しくて満足していた。


欲を言えば、結婚も子供も欲しかった。


でもね、悪くなかったよ!


29年間の人生の中で、こんなにも大切な仲間に出会えたんだ!


だから、俺は満足してる。


「これ、下界のお土産」


「肉だーー」


半年に一回、肉がやってくる。


「ステーキ」


「焼き肉」


「しゃぶしゃぶ」


「じゃんけんポイ」


「焼き肉に決定しました」


殺傷をしてはならないこの世界では、半年に一回だけ神のちちから、プレゼントされるのだ


「いただきます」


それを、俺達は美味しくいただくのだ!


「うまい」


「ワインにピッタリだよ」


「めちゃくちゃ、幸せだよ」


「最高ー」


半年ぶりの肉は、俺達を幸せにしてくれるんだ!


そんな幸せな時間を楽しんでいると…。


「俺、死んだ?」


カチャカチャ


「俺、死んだ?」


カチャカチャ


「ねぇー」


「うっせーな!死んだよ」


「何で?何で?死んだんだよ」


「しらねーよ」


「誰?」


「神だ!」


チン!!!!!


あの日、俺はこうされたのがわかったんだ!


あの日は、神々達にとって幸せな日だったんだ!


肉の日に俺がやってきて、ウザイから転生させた!


それを何度も繰り返されたんだ!


そして、今があるんだ!


「最高だぜーーー。」


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