ちょっと天国行ってくるけど!!転生して、戻ったら、絶対にプロポーズするから待ってろよ!!

三愛紫月

プロローグ

俺の名前は、早見翔はやみかける


もうすぐ、30歳になる!


俺には、付き合って三年になる彼女がいる。


彼女の名前は、仁門妙伊子にかどめいこ。同い年だ!


30歳になるまでに、結婚をしたいと言われていた俺は、29歳最後の今日にプロポーズをする事に決めたのだ!


「結婚しよう」


300本の薔薇の花束を差し出したドラマを見つめながら、彼女は羨ましいと言ったのだ。


300本の薔薇の花束…。


俺には、そんな花束を買えないか…。


婚約指輪をいいものを買った俺は、予算が限りなく厳しかった。


「こういうのが、好み?」


「だって、一生に一度よ!リムジンにシャンパンに薔薇の花束に婚約指輪!素敵じゃない」


御曹司のベタベタな演出。


それでも、女という生き物はそれが好きらしい。


「そっか」


「翔、ドラマに落ち込んでどうするのよ!こんなの、演出の一つでしょ」


ニコッと笑う妙伊子の手を握りしめた。


「じゃあ、本当はどういうのがいいの?」


「夜景の見えるレストランで、ご飯を食べた後に結婚してください。パカッてのかな」


同じではないか…


ベタベタなプロポーズ


そして、高級レストラン


「落ち込まないでよ!まだまだ、先の事じゃない」


そう言って、妙伊子は笑うけれど…。


29歳だ!


30歳までに結婚をしたいという妙伊子の気持ちを考えると後、二ヶ月しかないのだ。


どうするものか…


婚約指輪を給料三ヶ月分を律儀に買った俺には、予算がない。


厳しい現実だ!


昔、イタリアンシェフをやっていた従兄弟に料理の作り方を教われば…。


家でも、高級イタリアンが作れるではないか!!


俺達は、誕生日が2日違いだった。


お互い、29歳で入籍をすると考えると…


遅くても、5月1日にはしなくてはならない。


俺は、5月5日、彼女は、5月7日だった。


5月1日に、プロポーズしよう!


そう決めてから、俺は従兄弟に料理を教わったりをした。


プロポーズの日を迎えた。


【話したい事があるから、六時に家に来て】


妙伊子にメッセージを送った。


仕事を休んだ俺は、朝からせっせと料理の支度をしていた。


婚約指輪とワインとチーズを持ってトボトボと歩いて行く。


妙伊子が、プロポーズに泣いてる姿が目に浮かぶよ!


後は、この角曲がれば家だぜ!


絶対に、妙伊子と結婚して、妙伊子似の可愛い赤ちゃんと一緒に生活するんだぜー。


えっ?


キキッー


バンッ


体が、宙に浮いた気がした。


バリン…


そう思った瞬間


一気に、床に叩きつけられていく。


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ」


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