配信

「それって、動画配信って事か?」


「ああ」


そう言って、神は雲のスクリーンを再生した。


「どうもー。地獄チャンネルです。鬼でーす。今日は、地獄の鍋で煮たラーメン食います。早食いチャレンジスタート」


「あっつ、あっつ」


「無理無理」


「グツグツしてるから」


煮えたぎったラーメンを鬼が食べてる。


再生回数、50億!!!


「ハハハ」


神は、楽しそうに笑ってる。


「これって!」


「現世で再生されてる」


「お金は?」


「えっ?それは、死神経由で入ってくるかな」


「死神って」


「人間だよ。それは、おかしいか!人間そっくりで、下界で生活してる」


「何で?」


きゃく集めるのに、いちいちこっから行ってたら大変なんだよ。だから」


「じゃあ、動画配信を天国もやってるのか?」


「それがさー。地獄みたいに楽しいやつ作れないんだよ!君が作れるなら、カミホンやるよ」


「なに、そのダサい名前」


「じゃあ、もうあげない」


「待って、待って、それで、人チケットもらえるのか?」


「50億回を越えたら、人チケットやるよ」


「何枚くれる?」


「一年分な!」


「よし、じゃあやる!そしたら、寿命延びるんだよな?生きれるんだよな?」


「そんなに、彼女といたいの?」


「悪いかよ」


「悪くないけど」


神は、俺にカミホンを渡してくれた。


「じゃあ、受付してくるわ」


「また、天ちゃん来たら呼ぶから」


「はーい」


俺は、受付に戻った。


鬼みたいな、面白い配信が出来るのか?


普通の見た目だし、インパクトないんだよな


あっちみたいに、カラフルさもないし


暑さも寒さもなくて、丁度いいんだよなー。


風呂なら、一生出なくていい温度なんだよなー。


受付の仕事をしながら、動画を考える。


大食いとかなら、どうだ!


嫌、デカ盛りの店が天国はこないだろう…


やってみましたとかは?


何をやるんだよ!


何も、やれる事ないだろう?


面白い事、出来そうにないんだよな!


受付の仕事は、うまくなった気がする。


動画ねー


動画


人チケットが、かかってるんだよ!


どうしたら、いいかなー。


50億回


天国で稼げるわけないよなー


「あのー、あのー」


「はい」


「何してんの?早見」


「あー、室星先輩じゃないすか?」


「うん、久々だな!元気してた?」


「超、元気ですよ!って、死んでますけど」


「だなー。俺もだわ」


室星正也、検索と…。


「癌ですか!31歳ですか…」


「そうそう、俺だわ、それ」


「先輩、生まれ変わりますか?」


「当たり前だろ!来月かみさん、三人目だからよ」


「わかりました」


「あのさ、ちょっと話せる?」


「はい」


俺は、室星先輩と話す。


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