生まれ変わり

気づいたら、神の場所にまたきていた。


「3日経ちましたので」


「えっ?えええ」


無茶苦茶驚いて、でかい声が出た。


「あの、1ヶ月は7日です。3日は?」


「しらねーよ」


「まあ、ちょっとですね」


そう言って、笑った。


「で、人間か?」


「いえ、違います。ただ、これは経験しておかないといけないと思います」


「そうか」


「じゃあ、行きますね」


チン!!


ずっと、気になってたけど、これは、店員を呼ぶベルに似てるわ!


よく、昔ファミレスで働いてた時に、客に連打されたわ


って、体重た!


「ベンソン、死んじゃやだよ」


妙伊子だ!


ベンソンって、妙伊子んちの犬じゃねーかよ。


「ありがと、ベンも喜んでるわ」


「ううん、雅之が連れてきてくれたの」


雅之って、誰だよ!


「鳴かないで、ベンソン」


変な匂いがする。


「翔君が亡くなって、もう半年じゃない。心配してたのよ。だけど、妙伊子に新しい人が出来てよかったわ!お母さん、放れてるから心配だったのよ」


半年……


死んでから、半年………


嘘だろ?


「大丈夫よ、雅之がいてくれるから…」


だから、雅之って誰なんだよ!


「ベンソン、頑張って生きてね」


「そうよ、妙伊子が来たんだから…」


「お母さん、私ね」


「うん」


「雅之と結婚したいと思ってるの、だから、近々連れてくるわ」


「お父さんがいる時にしなさいね」


「わかってる」


雅之と結婚!!


俺が、死んでまだ半年だぞ!


【ふざけんな!妙伊子】


ワン、ワン、ワン


「妙伊子が来て、ベンも嬉しいって」


「私も嬉しいわ!ベンソン」


ベンソンは、トイプードルだった!


嬉しいんじゃねー!


俺は、怒ってんだよ!


噛みつきたいけど、ベンソンにそんな体力がないのはわかる。


感じる。


だから、我慢しなきゃならない。


寿命を縮めちゃいけない。


でも、悲しいよ


クゥーン


ベンソンは、俺の感情に合わせて鳴いた。


「悲しいのね、ベンソンも…」


「体がゆうこときかないのよね」


「もう、18歳だよね」


「そうよ」


「私の事、ずっと見守ってくれてありがとう。ベンソン」


妙伊子だけ、幸せになるのかよ!


俺と結婚したくなかったのかよ!


「どんな人?雅之さん」


「優しくて、いい人よ。翔より、稼いでるし…私の悲しみを理解してくれてる」


「お父さん、翔君との結婚反対してたのよ。収入が少ないからって」


「そうだったんだね」


「妙伊子が好きなら、私は反対してなかったわよ」


「もう、好きとかなかった!だって、翔は自分勝手だったから…でも、死んで欲しいなんて思わなかったよ」


ヤバい、瞼が落ちていく。


ベンソン、死ぬのかな?

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