第9章 誰かの声
タケシは東尋坊の方へ向かった。
全てを消そうと。。。
やがて金沢に入る頃
頭の中、、いや空耳かもしれない声が
聞こえた気がした。
「たーちゃん、生きて。。。そして私を探して」
ひたすら車を走らせていた
タケシは、はっと我に返った。
「誰?。。。」
返事は返って来る訳でもない。
車にはタケシだけであるから。
空耳かもしれない。しかし確かに聞こえたと感じた。
何かに飲まれそうになりかけていたタケシの目から、また温かいものが流れ落ちた。
「そんなハズないよな。。。誰なんだろ。。。
あの声は。。。」
聞こえた声は優しい言葉で語りかけ温もりを感じた。
しかし、今まで出会ったことのない女性の声だった。
声だけで心が震えるような感覚は初めてだった。
空耳かもしれない。。。
しかし、確かに聞こえたような気がした。
自分自身でその人生をら終わらせようとする人達はみな正気に戻った時にこう言う。
『あの時は誰の声も聞こえないし聞こうとしない。たた、自分の時間を終わらせたい。楽になりたいと言う言葉だけが頭の中を駆け巡る』
死神達はその人間たちの思考を止め、手招きして黄泉の国へ誘おうとしてる。ただ、彼ら彼女を引き止める手段は大切な人が生きて欲しいと言う強い思念がそういう行動をしようとするもの達を引き止めるのだと。。。
何かの本で読んだことを思い出したタケシは
ふと、そんなことを考えた。
「俺にそんなに想ってくれてるひとなんていないはずだけどな。。。」
そしてタケシは東尋坊へ行くことに意味があるのだろうかと思い始めた。
(金沢か。。。兼六園へ東尋坊へ行く前に行ってみるか。)
考えが変わりタケシは金沢のあるインターで車を降りたのだった。
そして降りてから初めてのコンビニで車を停めて宿泊するホテルを探した。
そして金沢にある国際ホテルに目が泊まり当日から宿泊できるか電話しようと考えたのだった。
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