第11章 幸せの条件
幸せって何かなぁっていつも俺は思ってたんだ。。。
幸せってさ。。。
ただ、子供の頃、興味本位でお袋の真似して
野菜炒め作ったんだ。
それを親父やお袋、兄貴に食べさせたら
兄貴以外は美味しいってめっちゃ笑顔だったんだよね。
それでさ、お袋は近所の人にもその野菜炒めをお裾分けしたんよね。近所のおばちゃんも喜んでくれてそれからコックさんになりたいって思ったわけ。
そん時のみんなの笑顔がめっちゃ素敵で心がドキンッてした。それがメシ作る仕事についたきっかけ。
やはり、自分が作ったもので美味しいって言うお客さんのあの顔がめっちゃ幸せそうなんよな。。。
あの顔見たら辞めらないんよな。。。
1番人を幸せな顔に出来る仕事の一つだもん。
でもさ、幼少期からずっと寂しい思いしてたから
両親はケンカばかりで兄貴とも仲良くないし、友達の家族が羨ましいってずっと思ってたんだ。
だから俺自身、幸せだなって思うことがなかった。
唯一、子供の頃作ったメシで喜んでくれたのが一番嬉しかった。
今思えばあの時が幸せだと思えたのかもしれないな。。。
幸せって。。。なんだろ。
周りの幸せばかり祈ってきて、自分が幸せになりかけるといろんなことが起きる。
自分なりに幸せになりたいって生きてきたのに
誰かを傷つけたり、騙したりしたことがないのあにな。。。
手にすくった水がこぼれ落ちるように。。。
完成仕掛けたパズルの一欠片が失ったように。。。
幸せって思うとたんに全てを失う。
何故なんだ。。。
幸せな条件。。。
神様教えてくれ。。。俺が何したと言うんだ。。。みんなを喜ばしたいだけなのに。。。
ふと、目が覚めた。
ホテルのベッドの上にタケシは少しばかり
眠っていた。
やがて、日が傾き始めた頃だった。
「幸せの条件か。。。」
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