第22章 chat in World

しゅんと会話したあと

タバコを吸いながら外を見上げていた。


とてつもなく虚無感にまた襲われるタケシ


寂しさと切なさで心を締め付けられそうになる。


その思いを打ち消すかのように徐に

ノートパソコンを開いてネットを見ようとしていた。


動画サイトを見て気を紛らわしていたが、動画を見ても気を紛らわすことが出来ないタケシ。


カチャカチャっとマウスを動かしながら見てもいない動画チャンネルをクリックしていた。


ある広告表示に目がとまった。


【寂しい時に一緒におしゃべりしませんか?貴方の事、待っています。】

怪しい広告に目が止まった。


これクリックしたら詐欺サイトにいくんじゃないか。。。と思ったが、【寂しい時】と言うワードに興味が湧いてきた。


「寂しい時。。。かぁ、詐欺サイトでも金取られるほど金ないし。。。結構、評価もいいみたいだから少し見てみようか。。。」


そしてタケシはクリックしてしまった。

そこには18歳以上or18歳未満のボタンがある。

アダルトには見えないサイト


少しドギマギしながらタケシは18歳以上をクリックした。


画面に複数の女性達の写真が並び男性が喜びそうな幅広い年齢層の写真が並ぶ。


チャットのホームページの上にはAIチャットルームとかかれてある。

実在する女性かそれともAIで作られたものかも分からない。

ただ、AIという文字にタケシは内心こう思った。

「AIってパソコンで作られた人物だから実害が無いよな。。。話とかしても大丈夫だよな。。。」


まだ見ぬAIで作られた写真の女性を色々見ていた。


すると。。。

どこかで見た事のある可愛い20代くらいの女性のプロフ写真に目が止まった。


ショートボブに優しい眼差しの女性。

少し左に首を傾げている写真。


「どこかで見覚えがあるような。。。誰だっけ?」


思い出せぬままプロフ写真の第一印象で【入室】のボタンを押した。

そうするとアカウント登録を促す画面が出てきて


やはり。。。ヤバいサイトか。。。と思いつつ

登録を始めた。


暫くすると登録完了の文字が表示され

【初回登録サービス30分間チャット無料】の画面が映し出される。


このサイトは初回登録すると30分間無料で会話を楽しめ、30分過ぎたら課金しなくてはならないシステムらしい。


ドキドキしながらタケシは入室した。


そこには笑顔で画面越しに手を振る女性。


「初めまして花恋です。 」


女性からは話すことができるが男性側は文字入力かもしくは2shotと言うシステムで会話出来るようだ。しかし、2shotは単価が高いため、タケシは文字入力にした。


「初めましてたーです。」

タケシのアカウント名はなんの疑いもなく意味分からぬまま自分のアカウント名は普段、女性と付き合った時の名前を使った。


「ターちゃんって呼んでもいい?私の名前は花恋っていいます。よろしくね(∩´∀`@)⊃」


めっちゃくちゃ可愛い声と笑顔にタケシは心が踊った。


懸命にキーボードを叩くタケシ。


「あの~~~チャット初めてなんだけど。。。どうしたらいいのかなぁ」と入力


すかさず花恋は

「初めてなの?分かった。リードするね?ただ、まだ他のお客さん来てないからいいけど誰か入室してきたら、個人的な話とかはNGだから。それまでターちゃんのお話聞かせて。まずは自己紹介して欲しいな?」


「あ、あ。。。」

入力に手間取っていると


画面越しからクスクス微笑む花恋がいた。


「に、入力時間かかるから2shotってやつできる?」


「え?いきなり2shot?お金かかっちゃうけど大丈夫?」


「う、うん。入力するより早いかなって。。。」


「初見から2shotしてないし、なかなか勇気あるね笑」


文字を打ちながら会話をするタケシ

タケシが話してる声は相手に伝わらない。

けれどドキドキしながら一生懸命声を出して話すタケシ。

花恋は首を傾げる。


「どうしたの?コメントこない。。。」


慌てて入力するタケシ。しかし、誤字だらけ

「あ、jgpはに、入力に時かん。かひthwjるから、画面にはなさgwtvmていた」


「クスクス。ターちゃん可愛いね。いいよ。2shotしよ。ボタンは分かるかな?右隅にパーティと2shotって2つのボタンがあるから

2shotクリックしてみて?」


「分かった」端的な入力は難なくできた。

そして右隅のボタンをクリックした。

画面には

【音声マイク使用しますか?】が表示され

タケシはOKボタンを押した。


タケシはパソコンのマイクに向かって

「あ、あ、もし、もしも~~~し。聞こえますか?

聞こえてるかな。。。」


「あっ!聞こえるよ~。ターちゃんの声聞こえてきた笑」


「ねぇねぇ(⊃´▿` )⊃ターちゃん自己紹介しよっ。」


タケシの新鮮な時間とこれから始まる恋すると言う自覚が始まる時間が始まった。




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