第7章 keep on keep
20時過ぎる頃、LINE電話の音が鳴る。
それはすずからだった。
落ち着かない気持ちを抑えながら
タケシは応答のボタンを押す。
「もしもし。。。すず?」
「うん。。。」
「ターちゃん?ごめんね?」
「ごめんねって?俺以外のやつと付き合ってたの?」
「・・・」
暫く沈黙するすず
「俺を騙してたん?」
「・・・」
「言わなきゃ分かんないよ。すずがおじさんとホテル入ったの見たって連れから連絡入ったからさ。まさかと思うけれど人違いだよね?」
「・・・って言うか。。。あい、、」
「何?」
冷静を保っていたが内心は心臓がバクバクしてるタケシだった。
そしてすずは電話越しに深呼吸するように
呼吸を整え言葉を発した。
「ははは。バレちゃったんだね。私は見られたおじさんと愛人契約してるの。だってお金欲しいんだもん。」
開き直った言葉で話はじめた。
「え、え?何それ?身体の事で病院行ってるってやつ?だからお金欲しいってやつ?」
気が動転し始めたタケシ
「俺、本職とバイト掛け持ちしようとしてるのに何それ?裏切り?は?は?」
訳が分からなくなってきたタケシたった。
そしてすずは
「ん~~~身体?ぜ~~~んぶ、嘘。笑
なんで私がおじさん達とマジで付き合わなきゃいけないの?」
「甘えた顔したらみんな優しいじゃん。弱い姿見せたらお金くれるもん。」
立て続けに信じられない言葉がすずから出た。
「私には本命の彼氏がいるの。彼氏はBARの店一緒にやりたいからその資金を集めたいだけ」
「おじさん達は騙しやすいからただ利用してるだけ」
「は?」
怒りが爆発しそうな気持ちを抑えて
話を聞こうとしたが抑えきれなくなり
「お前。。。最低だな。。。」
すずは間髪入れず
「は?最低?笑えるwww。いいじゃん風俗行くより若くてこんな可愛い私の身体触れてヤレたじゃんwww。そう思ったら安いよwww」
タケシは言葉にならなかった。。。
「お前も人が喜ぶ仕事したいって。。。プランナーしてるんやないの?」
「プランナー?本当にやってるよ。あれはストレス溜まるしもうやってられないの!だから彼氏とお店やりたいからさぁ。あっ!人が喜ぶ仕事出来てたやん笑。タケシさん私と過ごしてエッチできて幸せそうで喜んでたやん笑。それ仕事かも笑。愛人契約するにはお金もってなさそうだったし笑。愛人契約のおっさんは月に80万くれてたよ。ねぇ?出せるそんなお金www。出せるならまだ付き合ってあげるよw」
言葉にならず、涙が溢れてくるタケシ
「もう、、いいよ。お前とは話したくない。金返せとは言わないからもう、俺の前に姿みせるな!」
「残念だなぁ。。。若い体もう触れないよw
あと100万タケシさんから貢がせるつもりだったの。。。」
話の途中で通話を切るタケシだった。
今までにない屈辱を覚えたタケシ。。。
この頃、家族も身内もいないタケシであったが唯一血の繋がった兄もいたが、絶縁状態であった為、誰にも相談できず、すずを見た友人にも騙されたと言えずにいた。
人に裏切られると言うことは多々あったけれどそれなりに受け流すことは出来てだけれど
今回は信用してただけにこの裏切りはタケシをドン底にした。
人をはじめて愛すると言う言葉を知り始めた矢先のことだった。
「やはり、誰も信じられない。もうこのまま一人でいい。。。。」
人を笑顔にする?は?俺にはそんなこともうできない。。。
何が幸せ?何が?
そんな押し問答が頭を駆け巡り
好きだった料理の仕事も辞めてしまった。
そして、完全に全てを捨てて住んでいたアパートも引き払い、知り合いのLINEやSNSを全てブロックした。
車に必要な衣類だけを詰め込んで生まれ故郷をあとにしたのだった。
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