風の名前

　四季折々の『風を表す言葉』を冠した作品たちは、様々な読後感を運んでくれます。
　ほっこりと穏やかな風もあれば、嵐のように激しい情念を感じさせる風もある。
　楽しくてワクワクするような風もあれば、切なくてほろりと泣けてくる風もある。

　匂いたつような美しい文体で綴られる物語は臨場感いっぱい。
　一話開くごとに違った時代に連れていってくれます。
　リアル転移体験ができると言っても過言でないほどに、読めば引き込まれる歴史作品です。
　どうぞ、皆様もこの感覚を体験してみてください。お勧めです！

風を数えるごとに、それらが包む風景も、柔らかなデッサンのように感じます。
風の名前は皆美しく、色を変え、香りを変え。作品の世界に彩りを加えていますね。
ストーリーも、とてもとても素敵です。
言葉選びが美しく、情景描写が素晴らしいです。読んで損のない作品でした。