概要
逢いたい人がいる。だれか、忘れてしまったけれど――童女わらびの冒険譚
【平安王朝ファンタジー。完結まで執筆済み。毎日更新。カクヨムコン参戦します】
後宮の寵妃に仕えるわらびは失せ物探しを得意とする少女。馴染みの皇族に依頼され、選ばれた者しか入れない不思議な桃園へ枝を取りに行くことになった。
早朝から山中を彷徨い、枝を手に入れることができたのだが、送り主に渡った瞬間に花も蕾をむしられて捨てられてしまう。
その姫君が残した言葉は「千代にかざせよ、桃の花」。
言伝を聞いた依頼主の顔色が変わる。
――諦めていたはずの恋が動き出した。
少女が失せ物探しをすれば、凍り付いていた何かが変わる。
だれかを助けることは、己自身も助けること。少女にも目的があった。たとえば、水晶を食らって生きる自身の秘密。そして―ー
『逢いたい人がいる。だれか、忘れてしまったけ
後宮の寵妃に仕えるわらびは失せ物探しを得意とする少女。馴染みの皇族に依頼され、選ばれた者しか入れない不思議な桃園へ枝を取りに行くことになった。
早朝から山中を彷徨い、枝を手に入れることができたのだが、送り主に渡った瞬間に花も蕾をむしられて捨てられてしまう。
その姫君が残した言葉は「千代にかざせよ、桃の花」。
言伝を聞いた依頼主の顔色が変わる。
――諦めていたはずの恋が動き出した。
少女が失せ物探しをすれば、凍り付いていた何かが変わる。
だれかを助けることは、己自身も助けること。少女にも目的があった。たとえば、水晶を食らって生きる自身の秘密。そして―ー
『逢いたい人がいる。だれか、忘れてしまったけ